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広末涼子に近しい関係者が“引退を勧める”本当の理由。16歳のデビュー時から変わらぬ素顔、「純粋すぎる性格」が命取りに

不倫騒動後、初の主演映画の撮影に


 広末容疑者は7日に交通事故を起こす前、奈良県内で主演映画『おんおくり』の撮影に臨んでいた。この撮影中、広末は監督と演技プランなどをめぐって口論になった。その時点で既に何か酷く辛いことがあって、自分を見失っていたのか。あるいは監督の主張が理不尽と感じ、混乱に陥ったのか。いずれも言い訳にはならないが、逮捕の数時間前となる撮影中の時点で、既に平常心を失っていたのは確かだ。  その後、新東名高速道路を使い、乗用車で帰宅の途に就く。事故前の静岡県浜松市内のサービスエリアでは見ず知らずの人に「広末で~す」と話し掛けている。事故後も道路に座ったり、歩き回ったり。さらにケガの治療のために搬送された同県島田市の病院で看護師に軽傷を負わせてしまったとされ、この件で8日未明に傷害容疑で逮捕された。だが、その後の取調官と言葉のキャッチボールができないこともあった。  これでは警察が飲酒や薬物摂取を視野に入れるのも無理はない。だが、広末容疑者をよく知る人ほど飲酒や薬物摂取はないと思っていた。逮捕も含め、ストレスが重なり、混乱が止まらなかったのだと考えられていた。  事実、薬物検査は陰性。体内から薬物は検出されなかった。それでも警察が都内にある広末容疑者の自宅を家宅捜索したことを行き過ぎと見る向きがあるが、かつて交際していた俳優の1人に大麻取締法違反での有罪歴があることが影響したのではないか。薬物摂取の疑いが視野にある容疑者の場合、警察が交遊関係も考慮するのは珍しいことではない。 『おんおくり』は広末容疑者とシェフ・鳥羽氏とのW不倫が1年10カ月前に発覚してから、俳優としての初仕事。良い演技をしようという気負いもあっただろう。ストレスとなっていたはずだ。キャンドル氏とは2023年7月に離婚している。

独立のマイナス面が及ぼしたもの

 俳優復帰よりも遥かに大きなストレスにつながったと思われることがある。2024年2月、デビューから26年にわたって所属した俳優事務所「フラーム」を退社したことである。個人事務所を設立し、社長になった。  フラームは有村架純(32)や戸田恵梨香(36)、田中みな実(38)らがいる有力事務所。W不倫が発覚した直後、同事務所は広末容疑者に無期限謹慎処分を言い渡したが、本人はそれを突っぱねる形で独立した。当時、広末容疑者が「あの事務所は私のお陰で大きくなった」などと放言したと芸能界内で伝えられた。感情がそのまま言葉になってしまったのだろう。ストレス管理などのケアをしてくれる人がいなくなった。  現在の芸能界は独立が流行している。独立したら、事務所に支払うマネージメント料の30~40%がなくなり、収入がかなり増える。  ただし、プラスばかりではない。個人事務所の施設料、事務員、マネージャーらの給料などが必要となる。広末容疑者の個人事務所設立の経緯はほかの俳優たちと異なるが、独立のマイナス面は同じだ。  広末容疑者は3月28日に放送されたフジテレビの番組で事務所運営について、こう語っている。「今まではお仕事のオファーを、全てチェックすることはなかったのですが、最初から全部チェックさせてもらっている」「自分が指示するとか、(スタッフを)育てるとか、偉そうな立場になったことがなかったので、最初はそれが難しくて」「(仕事相手などとWeb会議サービスの)ZOOMとかで話したりすると、言うべきことは言わなきゃって全部言って、退出した瞬間に涙が出てくる。悔しい! みたいな……」(『ザ・共通テン!』)  自分でも気づかぬうちに相当強いストレスがあったのではないか。  過去の奇行やトラブル、W不倫によって俳優の仕事は激減していた。ドラマ、映画の仕事はほかの俳優との共同作業であり、制作費も制作期間もバラエティの2倍以上あるので、リスクを負う覚悟をしてまでトラブルを起こしかねない俳優を起用する制作者は少ない。まして個人事務所なので、違約金が発生した際の支払い能力にも不安が残る。  だから広末容疑者に好意的な人たちは「引退したほうがいい」と口々に語る。うらぶれたり、再び辛い思いをして打ちひしがれたりする広末容疑者の姿を見たくないのだ。 <文/高堀冬彦>
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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