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<プロ野球>コーチの数は成績にどう影響するのか。12球団のコーチ数と成績を比較してみた

チーム事情で異なるコーチの数だが……

野球コーチ

写真はイメージ

 2021年プロ野球シーズンも終わり、すでに各チームは来年に向けて新たな編成でチーム作りを進め始めているところだが、2021年をちゃんと総括することも大事だろう。  今回着目するのは「コーチ1人あたり何人の選手を見ていたか」である。現在は育成制度もあり、球団によって所属している選手の数に開きがあることはすでに知られていることだが、実はコーチの数も同様に違っているのだ。  プロ野球のコーチが有能か否かを評価する基準というのは非常に難しい。なんとなくチームや選手が活躍すれば「有能」で、そうでなければ「無能」なんて言われ方をするわけだが、そもそも「面倒を見るコーチが少なすぎてないか」「コーチはいっぱいいるのに育ってないんじゃないか」など、チームによって育成環境の事情は数だけでも異なっている。

巨人は一番多くのコーチを用意していたが……

 さっそく数を確認してみよう。今シーズンの移籍・獲得期限終了時点での選手登録数と、コーチの数、そして「コーチ1人あたりの選手数」を一覧にしてみた。
コーチ数

※監督はコーチに含めない。コーチ1人あたりの選手数が少ない順にソート

 こうしてみると、選手数、コーチ数ともに数が多かった大所帯の巨人だったが、コーチ1人あたりの選手数は最小の3.83と、数のうえでは一番割合的には指導しやすい環境だったことになる。物量的にも構成的にも優位であったことが伺えるが、これで優勝できなかったことを考えると、育成のどこかに12球団で一番の問題を抱えていた可能性が高い、ということを示している。  組織上の意思疎通の問題なのか、コーチの指導力の問題なのか、はたまた選手の質なのか……原因は数からではわからないが、どの球団より数のうえでは育成の体制が整っていたことを考えると、来年その問題が解決できるのかがカギなのは間違いないだろう。シーズン中に度重なるコーチの異動もあったが、果たして来シーズンは風通しの良いチームになれるかどうか注目だ。
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優勝チームのコーチ数
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公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

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