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脱都会で海外へ! 言葉の壁で“生き地獄”に

給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。 番外編 海外という名の田舎暮らしでも「話が違う」の怒りの声が……  都市部を抜けた新天地での生活は田舎だけではない。遠く海を隔てた異国の地でも、”生き地獄”な人がいる。  フリーター人生を打破するべく単身ドバイへ渡った紺野裕幸さん(仮名・34歳)。就職先は日本の中古自動車を扱うディーラー。一発逆転のチャンスとばかりに、パキスタン人社長のオファーに飛びついた。だが、そこで待ち受けていた現実は、メディアで見聞きしていたドバイの華やかなイメージとは程遠かったという。 「そもそも会社の所在地がドバイじゃないんです。ドバイの横のシャルジャって国(註:UAEは首長国連邦でドバイはそのうちのひとつ)なんだけど、基本、出稼ぎに来たインド人やパキスタン人が住む国なんです。そこで他のパキスタン従業員たちとタコ部屋生活。しかも、家中がゴキブリの巣窟」  劣悪な住環境以上にツラいのは、言葉の壁だという。 「僕の仕事は、ドバイに出稼ぎに来ているインド人やパキスタン人に対して、日本の中古車を売ることだから、ヒンドゥー語ができないと駄目なんです。でも、どうやって言語を習得するのか、そもそもその方法が僕にはわからないんです」  同僚との会話すらままならず孤独に苦しむ紺野さんは、「もはや日本に帰国するしかない」とうなだれているようだ。 ― 脱都会[田舎暮らし]は生き地獄【9】 ―
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