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話題といえば芸能ゴシップ “陸の孤島”は情報も娯楽もなかった!

給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。

実例報告 憧れの田舎暮らしに絶望を感じた理由とは?
「話題といえば……芸能ゴシップ。感度の高いトークは一切ナシ!」

山形・村上恭三さん(仮名・31歳)旅館勤務

 開湯900余年。吹雪くと”陸の孤島”と化す、赤湯温泉(山形)の某旅館に勤める村上さんが東京を後にしたのは、1年前のこと。浮き名が立つクラブDJとして、おしゃれライフを謳歌している最中での決断だった。

 東京での本業は、キャバクラへの訪問ドレス販売。月収は20万円前後。先が見えない人生への不安はいわずもがな、「年齢的にも昼夜逆転した生活がツラくなって……」と当時を振り返る。

 しかし故郷に戻った村上さんに、東京では感じなかった”苛立ち”が待っていた。

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「ひなびた温泉街では、まずもって同世代の人間と出会うことはありません。昔なじみの友人とたまに会っても、話題はすれ違うばかり。エリカ様の半ケツがどうだとか、スーパー海物語で2万円すっちゃったとか。町中を歩いても娯楽といえばパチンコぐらいだし、夜遊びだっていいとこスナック止まり。あ、ブルーハーツとか歌ってハジけちゃうんだ……おいおい!ムダにテンション上げて、リンダリンダ熱唱するのやめてくれ!とかね(苦笑)」

東京カルチャーシーンの中心で夜な夜なクラブ遊びをしていた村上さんにとって、平凡な同郷の友人とのコミュニケーションに刺激を感じないのは当然のことかもしれない。取材中、「都会では味わえない田舎ならではの魅力もあるのでは?」と尋ねると、ひと呼吸置いた後、現状についてさらに毒づく。

「でもね、飲んでる最中に突然、『オレ、やっぱりアッキーナとは付き合えないわ。テレビで見たんだけど、アッキーナって野菜しか食えないんだって。そんなんじゃ、結婚してもオレ、肉料理食えないじゃん』とか、言われたらどうです? 本当にどうでもいい話じゃないですか」

 郷に入っては郷に従え。村上さんは今後、田舎暮らしをどう乗り切っていくのか。

イラスト/サダ
― 脱都会[田舎暮らし]は生き地獄【6】 ―




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