人間なのかロボットなのか!? 無償労働という名の罰ゲーム!
―[脱都会[田舎暮らし]は生き地獄]―
給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。
実例報告 憧れの田舎暮らしに絶望を感じた理由とは?
「人間なのかロボットなのか!? 無償労働という名の罰ゲーム!」
宮崎・土屋晋平さん(仮名・33歳)農業
休みといえば水曜のみ。大学卒業以来、不動産会社の営業マンとして激務をこなしていた土屋さんが故郷に戻ったのは、今から3年前のこと。東国原知事ブームまっただ中の時期ということもあり、地元・宮崎でのUターン生活に魅力を感じての、脱サラだった。実家の家業は、農業。幼い頃からハウスの中で働く両親を見て育っただけに、どうにかなるだろうという軽い気持ちでのスタートだった。
「基本、すべての作業は中腰の姿勢で行わざるをえません。今でこそ少しは慣れましたが、当時は10分間中腰になっているだけでジワジワと体力が奪われ、ましてや炎天下での作業ともなると、脱水症状で意識もうろう状態。春から農作業を始めた高橋尚子が雑草取りを体験して『収穫の楽しみが大きくなった』とか話してましたが、ちょっと待ってくれと。あなた、真夏の炎天下で8時間、雑草取りをしてみなさいよ、と!」
仕事とはいえ、直射日光の照り返しで息苦しい畑での作業は、想像を絶する過酷さであることに間違いはない。失礼ながら、「時給で換算するといくら……」と尋ねると、想像だにしない答えが返ってきた。
「いま住んでいる集落には若い働き手が僕ひとりしかいません。それはつまり、無償でご年配の方々の畑の手伝いをすることを意味するんです。田舎ならではの、同調圧力っていうのかな。寄り合いで『腰が痛い』などと泣き言を言われて、はいそうですか! とスルーするわけにもいかないのです。これが一番、ツラい。想像できます?」
声を荒らげる土屋さんの”生き地獄”はまだ始まったばかり。
― 脱都会[田舎暮らし]は生き地獄【8】 ―
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