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“不貞婦人会”を拒めば村八分に! 田舎暮らしの恐怖

給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。 実例報告 憧れの田舎暮らしに絶望を感じた理由とは? 「妻は”不貞婦人会”に強制加入。拒めば”村八分”の恐怖が……」 岩手・多田昌義さん(仮名・34歳)郵便局嘱託 「田舎は怖いです。正直、1秒でも早く抜け出したいですね」
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 そう呟く多田さんの言葉に耳を疑った。なぜなら1年前、SPA!4/28号の記事「年収100万円ライフ充実術」でUターン転職の成功例として取材したときには、「田舎は物価も安いし空気もうまい。週末にはカヌーを楽しんでます」と満面の笑みだったからだ。いったいこの1年の間に何があったのか? 「近隣住民とのいざこざがきっかけで、東京から一緒にやってきた妻がノイローゼ気味になってしまって……」  諸悪の根源は、地域住民たちによる婦人会の存在だという。表向きは「子供のために地域の治安を守ろう」というものだが、その実態とは……。 「毎日、会合と称して集まっては、『出会い系サイトで誰々と会ったとかエッチした』なんて話をしているようで。そんなところに行くなって妻に言っても、『参加しないとありもない噂を立てられるから……』と」  治安を守るはずの婦人会が、ほとんど不貞妻たちのハッテン場。心配しつつも「ウチの嫁にかぎって……」と妻を信頼していた多田さんであったが、昨年末に計画されたあるイベントがきっかけで、訣別を決意する。 「婦人会を仕切る会長の亭主が運送会社の社長なんですが、年末の社員旅行になぜか婦人会のメンバーも強制参加させられるというんです。おかしいでしょ? ”人の妻”ですよ? オレも行くって言ったら、『婦人会の懇談も兼ねての伝統行事だからムリみたい。社長にも逆らえないし』って。さすがにそんな慰安婦みたいなマネはさせられませんから、断りましたよ」  無事、婦人会を抜け出したはいいが、目を合わせれば陰口を叩かれる毎日。奥さんは外出するのが怖くなり、家にこもりがちになったという。  夫妻への同情の念は尽きないが、田舎のルールにはかくも理不尽なものが存在するのだ。 イラスト/サダ ― 脱都会[田舎暮らし]は生き地獄【5】 ―
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