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都市生活を経験して感じる田舎のツラさ&厳しさ

給料が上がらない時代の今、都市部で働く若者は高い家賃に生活費を圧迫され、貯金もできず、明るい未来像も描けない。そのうえ、毎朝、満員電車に揺られて通勤し、夜遅くまで酷使される。そんな都会での生活に疲れ、田舎での暮らしを目指す人が増えているという。

都市生活を経験して感じる田舎のツラさ&厳しさ

田舎で安いのは家賃と野菜だけ。価格競争のない商品はほぼ定価
(島根・37歳・銀行)

「これだから東京者は」のセリフに耐えがたい距離感を覚える
(三重・28歳・建設)

 まず誰もが思う田舎の魅力に物価の安さがあるが、そこには意外な盲点があるようだ。

「今の家賃は2LDKで3万6000円。東京と比べて5分の1だけど、田舎で安いのは家賃と農協で買える野菜だけ。電化製品も家具もお酒も、ほとんど定価だし、そのくせ在庫も少なくて、予約を入れても『入荷日は未定です』って返されるのがオチだからね」(島根・37歳・銀行)

 デフレの著しい東京のほうが、物価は安い。また、”車社会”の地方は駐車場の家賃はタダ同然で渋滞知らず。カーマニアの人にとっては、それだけで魅力的といえそうだが……。

「県民のほとんどが押し寄せる複合施設は確かに駐車台数は多いけど、田舎は一人1台感覚でめっちゃ車が多いし、長っちりの客が多いからね。休日になると駐車場1時間待ちなんてザラ。都内のデパートと変わりないよ」(滋賀・31歳・電機メーカー)物不足は決定的だ。

「若者が少ないせいか、レンタルビデオの品揃えが少なくて古い! 海外ドラマは韓流止まりで、いまだに『グーニーズ』とか『ロッキー』が目立つ棚に置いてある。しかも、なぜか貸し出し中で余計にイラッとくる」(青森・38歳・建設)

「都内で働いていた頃は会社帰りに軽く一杯が楽しみだったのに、車通勤だから帰りは飲めないし、唯一、お酒の置いてある近所の定食屋は8時閉店(涙)」(長野・27歳・不動産)

「テレビがNHKを合わせても4チャンネルしかないし、深夜1時には砂嵐になる。何より地方のCMは静止画にナレーションのものがいまだに多くて、時代に取り残された感があって侘しくなる」(高知・34歳・電子部品製造)

 人間関係で思わぬ閉塞感を感じるケースも。

「いちいち『これだから東京者は』って言われます。飲み会の誘いを断っただけなのに……。あと、方言を使わないと気取ってるって思われるらしくて、距離感を覚えますね」(三重・28歳・建設)

「出戻りで就職した地元企業は効率よりも人付き合いやしがらみ重視。僕が前の会社で付き合いのあった下請けのほうが安くて仕事も早いですよと説明しても、『ここは昔っから○○さんにお願いしとるんよ。都会でどんな仕事してたか知らんけど、便利ならいいってもんじゃなかろうが』って。新しいことをするのがイヤなんでしょうか。頑張りがいがありませんよ」(岡山・31歳・自動車部品製造)

 考えてみれば、都市の良さとは選択の多さだ。失って初めて身にしみる贅沢だろう。

― 脱都会[田舎暮らし]は生き地獄【3】 ―




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