『ハサマレル男達』の仕掛け人・mimiさんが主催する、はてしなく妖しいイベントの正体とは?
―[山田ゴメス]―
前回、『ハサマレル男達』という作品集を紹介した記事で、日刊SPA!サイト読者にインパクトを与えたナゾの女性・mimiさん。今回は、そんな彼女のバックボーンと現在の活動状況に、凸貫記者・ゴメスが、できうるかぎりの接近を試みた!
――前回、紹介させていただいた『ハサマレル男達』は、自費出版の写真集以外だと、mimiさんが運営する『ツヨイオンナ』というコミュニティサイトで見ることができるようですが、この『ツヨイオンナ』について、簡単な説明をお願いします。
自立した女――この世の中で強く生きていく女――ただの女ではいたくない!――そのへんの女とはひと味もふた味も違う女になりたい!……というような野望の持ち主である女性たちのためにつくったサイトです。
――すみません……。あまりに観念的すぎて、よくわからないのですが?
私自身、東京に出てきた当時から「ただの田舎娘とは呼ばせない」「ツヨイオンナになりたい!!!」と常々感じていたわけです。そして、同じような志や想いを持つ女性は、かならず少なからず実在するはず……。いわば、このサイトは“ツヨイオンナ布教活動”の一環なんですよ。
――少しずつ理解できてきました。では、とりあえずmimiさんの簡単な経歴を教えてください。
年表にすれば、こんな感じです。
1982年 愛知県で生まれる
1986年 茨城の林の中に越す
2001年 信号をつくる会社に就職
2002年 つくした男にフラれ、男に頼らない人生を歩むコトを決意
2003年 ストーカーに自宅で犯されそうになり上京
2004年 業界初ゲイ・ライブチャット運営
2006年 ツヨイオンナ布教活動開始
2010年 全く怪しくない会社設立
2011年 都内某所に潜伏中
――サラッと語ってくれましたが、よくよく見ればけっこう波瀾万丈じゃないですか!? “全く怪しくない会社”には、あえて触れませんけど、コンサバティブとアグレッシブの振り幅がやたら広い。前回のインタビューでは、フリーの女王様をやっていたと聞きましたが?
単純に興味があったからやってみました。人に言えない仕事って、若いうちしかできないですし……。とは言え、どこかに所属すれば、どうしても風俗っぽいイメージやマニュアルがつきまとうので、フリーランスという肩書きにはこだわりましたね。出会い系サイトを使って、多いときだと一日7人はこなしたかな?
――たしかにいろんな面で融通がきくのはフリーの魅力ですけど、反面、自分の身は自分で守らなきゃいけないというデメリットもありますよね? ヘンな人が来たら、それこそ命にもかかわっちゃう。そこらへんが恐いとは思わなかった?
運よく過去に危険な目に当たったことはありませんでした。もしかすると、そういうタイプを瞬時で見分ける嗅覚というか危機察知能力は、多少人より優れているのかもしれません。
――危険なタイプの見分け方みたいなものはあるのでしょうか?
初顔合わせの待ち合わせの段階でわかりやすく挙動不審な男は、やはり敬遠しちゃいますね。黒目の部分がやたら揺れ動く男だとか体全身でそわそわしているヤツとか……。あと、最初から異様に大きなバッグを持っているヤツも。中にヘンな拘束具や武器(?)が入ってたりしますから。でも、私が一番の判断材料としていたのは“臭いやつ”かな?
――それは慣用句ではなく?
そう。本当の意味で異臭を放っている男です。女って、案外匂いでイイ男・ダメな男を判断したりもするので。
――物にたとえると、何みたいな匂い、っていうのはありますか?
普通に“生理的に受け付けない匂い”でかまわないと思いますよ。人間、精神的に病んでくると風呂に入らなくなるって言うじゃないですか。なので、あくまで確率の問題ではあるんですけど、“臭いやつ=危険な男”という公式を基準に、私はお客さんを選別していました。そもそも臭いやつとプレイすること自体嫌ですしね。
――でも、初対面の男の匂いを判別するには、実際会わなきゃ難しいのでは?
実際会ってみて、ヤバい匂いがしたら、即行で「すみません。できません」と断ります。あとをつけられたりするケースも多いので、待ち合わせはなるべく土地勘のある場所に限定して、“角曲がったらダッシュ”が上手くなりました(笑)。脚には自身があるので、余裕で巻けます。
――なるほど。で、今もまだ現役でフリーの女王様なんですか?
いや、体よりも、もっと労力と頭を使って本格的にモノ創りを、クリエイティブなことをしたいと考えるようになり、2003年あたりで一線からは退きました。あと、『ツヨイオンナ』でも告知しているのですが、「ノミノミM男ふ会」というイベントがありまして、そこでSMプレイ的なことは楽しんでますので(笑)。
――「男ふ会」と「オフ会」をかけているんですね(笑)。
はい(笑)。池袋の某所で月1回のペースで開催しているイベントです。すでに約7年間続いてまして、もうすぐ100回を迎えます。今は(1回ごとの)男性の参加人数が10人くらい、女性は3、4人に落ち着きましたが、のべすれば300人近くの男性が過去、参加しています。
――すごーく興味があるんですけど……。具体的には、どんなことが繰り広げられるのでしょう?
くるぶしソックスマニアだとか、白ブーツマニアだとかの偏ったフェティシズムやSM的な行為への強い好奇心を抱く“変態な男たち”の、周囲には言えない内緒話を、女性たちが楽しく聞いてあげる健全な(笑)会です。そして、やれることはやってあげる。
――それって、男はたちまち集まると思うんですけど、女性はどのように調達するんですか?
飲み会や仕事でかかわった女性をマメにナンパ(布教)しています。
――ち、ちなみに僕は複数プレイマニアなんですが、それもヤッていただけたりも……?
SEXはなしです(きっぱり)!
――ですよね……(残念そうに)。
あと、手作りゴハンと美味しいお酒もついています。私、こう見えて料理、得意なんですよ。
――それは素晴らしい(心もち気を取り直して)! ぜひ、メニューを教えてください!!
つい最近では、ミートローフをつくって、とても好評でした。
――かなり本格的ですね。ボルドーの赤あたりに合わせたら最高だ!
ご飯のおかずにしても、なかなかいけますよ(笑)。
――最後に、mimiさんの今後の目標みたいなものをお伺いしたいのですが?
正直、将来のこととかはあまり考えてないですね。面白いからやる、可愛いからやる、人に楽しんでもらえるからやる……が、私の行動のすべての動機ですから。

―[山田ゴメス]―
大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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