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大喜利ガチンコ対決「ダイナマイト関西」成功の理由は?

DVD『ダイナマイト関西2014』

 読者の皆さんは、「ダイナマイト関西」というお笑いイベントをご存じだろうか? お笑いコンビ・バッファロー吾郎の2人が「ゴチャゴチャ言わんと、誰が一番おもろいんか決めたらええんや」というコンセプトのもとに立ち上げた興業で、実は今年で15年目になる。最初こそは100人ほどの規模のライブハウスから始まったが、年を重ねるごとに規模が拡大しているのだ。

 気になるその内容は、ずばり「大喜利」である。出場者は1対1でステージに立ち、お題に回答。制限時間内に面白い回答をしたほうは、相手のライフポイントを削ることでき、全54ポイントがゼロになったら負け。また、制限時間が終了したら多くポイントを残すほうが勝ち上がる。

 今年の2014年大会はグループリーグ予選と決勝トーナメントに分かれて行われ、全16人の参加者(芸人だけじゃなく各分野の面白人間が参加している)から、勝ち残った8人が8月に浅草公会堂で行われた決勝に臨んだ。

【決勝トーナメントの参加者】
●バッファロー吾郎 竹若元博
●伊藤修子(女優)
●ずん 飯尾和樹
●R藤本
●オードリー 若林正恭
●キングオブコメディ 高橋健一
●ケンドーコバヤシ
●ピース 又吉直樹

 そんな“ガチンコ大喜利バトル”が人気を呼び、今月には大会の模様を収録したDVDも発売された。なぜ「ダイナマイト関西」はここまで人気になれたのか?オーガナイザーを務めるバッファロー吾郎の2人に話を聞いた。

バッファロー吾郎――そもそも、なぜ「ダイナマイト関西」を立ち上げたのですか?

バッファロー吾郎A(以下、A):もともとの動機は些細なもので、ダウンタウンさんとかがやっていた大喜利がえらくかっこよく見えて、こういうのをイベントでやったらどうかなと。そこで統一ルールを作って、”芸人の頭脳の格闘技”のつもりで始めたんです。それを15年もコツコツとやらせてもらっているという。実際、優勝賞金もないですし、ほんと出場者のみんなはプライドのみで出てくれているんですよ。

――最初は100人規模の小さいライブハウスからスタートしたそうですが、そのときは手ごたえはあったんですか?

竹若元博

竹若元博(以下、竹若):いや、全然でしたよ。第一回目は反応も悪かったですから。それこそ成功か失敗かと言われたら失敗やったぐらいの感じの興業でしたね。本当にもう、Tシャツとかも全然売れへんかって、えらい赤字やったりとか。お客さんも「どう見ていいのかわからん」というような感じやったと思うんです。というのも、当時は大喜利がそんなに浸透してなかったんで、僕らが面白いと思ったキレキレの答えをパーンって出しても全然反応がなくて、逆にちょっと柔らかい感じの答えを出したらウケたりするんですよ。正直、「こりゃ、次はないかな?」と思いましたね。

――それでも続けられた理由は?

竹若:やっぱり出演者さんたちの熱い思いじゃないですかね。みんな悔しい思いをしたというか、「これで終わるのはどうなんだ?」と思ってくれて、「もうチョイやりましょうよ!」と言ってくれたのは嬉しかったですね。その気持ちがなかったら絶対に続いてないイベントです。

――ちなみに、コンセプトのキャッチフレーズは前田日明さんの「ごちゃごちゃ言わんと誰が一番強いか決めたらええんや!」から来ていますよね?

A:ハイ。そのまんまですね(笑)

――コレ、前田さんの許可は……?

A:いやいや、怖いのでなんも聞かんことにしています(笑)

――そんなイベントも数をこなしてどんどん規模が大きくってきました。今でも出演者はお2人が選出しているんですか?

A:僕らと、スタッフからの意見もありますね。あとは、ご本人から(出たいと)言ってもらったり。前に漫画家の和田ラジオ先生に出ていただいたことがあるんですが、先生なんて「また出たい」とおっしゃっていただいているみたいです。僕らからしたら「お忙しいだろうし、無理して出なくても……」と恐縮してしまうんですが、ありがたいことですよね。

――主催者すら飛び越えて、周囲のほうが燃えているわけですね。

竹若:そうですね。もう、イベントというか競技なんですよね。もちろん、そこは人間関係あってのことなんですけど。参加してくれるタレントだって、くそ忙しくて、普通、マネジャー経由で話したら「ちょっと……」ってなると思うんです。けど、直で本人にコソッと話をすると、「もちろん、やりますよ!」と(笑)。その熱い気持ちをマネジャーに言ってくれて、出演が決まったりしますから。そもそも仕事じゃないのに(笑)。もはや、ほぼ有志ですよ。

――こういった場所で一度大喜利をやると、中毒になってしまうんですかね。

竹若:恐らく“大喜利力”って、お笑いの総合力ではなく、かいつまんだ部分なので、「だったらやってみようかな」「それに対しては俺、こだわりあるよ」っていう人がいるからだと思うんです。「人前に出てなんでもいいから笑わせてください」という場だと出られないと思うんですけど、大喜利のルールに則った場だと出られるんですよ。

――それって大喜利独特のモノなのでしょうか?

竹若:かもしれませんね。それに、“大喜利力”ってもともと持っている才能じゃなくて、やればやるほど上手くなったり、変化したりするようなものなんです。回数をこなしたり、あとは年齢を重ねて人生経験を積んだら、言い回しとかも変わって、それが武器になったりしますから。おもしろいジャンルですよね。

――そんな竹若さんは2014年大会では、残念ながら決勝トーナメント一回戦敗退でした……。

竹若:いやぁ(笑)。ただですね、負けること自体はもちろん悔しいんですけど、でもそれって対戦相手にというよりも、競技に負けたという感じのほうが強くて、意外に根に持たないんですよ。「次出たらこう答えてやろう」という気持ちにはなるんですけど、「あいつ、なんやねん!」という感じにはならない。だからなかには、「対戦相手が見えない」という人もいるんですよ。“対人”というか、“対お題”が強いわけなんですよ。おかしな空間ですよ、アレは。

⇒【後編】「2014年大会を振り返って、印象に残った方は?」に続く http://nikkan-spa.jp/758867

<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/山本宏樹>

ダイナマイト関西2014

「ゴチャゴチャ言わんと誰が一番おもろいんか決めたらええんや」がコンセプト




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