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ダルビッシュ、完全試合逃すも最恐バッテリー誕生

「あと一人て。。なんでやねん!!」

 試合終了後からわずか1時間。メジャー史上24度目の完全試合まであと一人と迫りながらも大記録を逃したダルビッシュ有は、自身のツイッターでつぶやいた。

 9回裏は3球で2アウトを取った。27人目の打者は9番マーウィン・ゴンザレス。ラストスポットだけに普通ならば代打の状況だろうが、今季から新星アストロズの指揮を取るボー・ポーター監督は、期待の24歳ゴンザレスをそのまま打席に向かわせた。

 ダルビッシュが投じた111球目。ゴンザレスが初球をシャープに振り抜くと、打球はダルビッシュの股間を抜けてセンター前へ。苦笑いを浮かべたダルビッシュはここで御役ご免。春のキャンプでは80球以上を投げていなかったダルビッシュだ。シーズン最初の登板で110球を超える投球は予期していなかっただろう。

 しかし惜しかった――。

 なぜなら大記録達成の舞台は、完璧に整っていたかに思えたからだ。

 今日の相手アストロズは、昨年リーグワーストの107敗を喫した「最弱チーム」。昨年6月にはジャイアンツのマット・ケインに完全試合を喰らわされた“前科”もある。さらにこの日、ダルビッシュが公式戦初バッテリーを組んだAJピアジンスキーは、現役捕手としては最多となる2度のノーヒッター(完全試合1試合を含む)を経験している“持ってる女房”だったのだ。

◆現役”最恐”、武闘派捕手・AJピアジンスキー

AJピアジンスキー

今日ダルが完全試合を達成すれば、3度めのノーヒッターマスク(うち完全試合2度)となるはずだった

 ダルビッシュがまだ高校1年生だった2002年のオフ、日米野球のメンバーとして来日経験のあるピアジンスキーは、実は“現役最強の赤札選手”としても恐れられている選手だ。

 相手チームのスライディングを吹き飛ばすハードブロックは、ほんの序の口。溢れんばかりの闘争心は、時にチームメイトや首脳陣にも向けられ、同僚とのイザコザが絶えない武闘派選手なのだ。

 2004年には(本人は悪ふざけの度が過ぎたと反省を見せたものの)移籍直後のサンフランシスコ・ジャイアンツでコーチの股間を蹴り上げるトラブルを起こし、チームメイトから早くも総スカン。その後もシーズン中のビデオミーティングを拒否するなど、問題行動は続き、移籍1年でサンフランシスコをキックアウトされた。昨年夏には専門誌による「最も嫌いなアスリート」で、堂々の1位に選出された武勇伝を誇る(誇れる内容ではないが……)。

 思えばダルビッシュにも、北海道日本ハム入団直後は、喫煙問題で謹慎処分を喰らった過去がある。ダルビッシュとAJピアジンスキー。野球の文句ない実力に加え、過去の武勇伝を合わせると、ひょっとすると彼ら2人は今シーズン“MLB史上最強のバッテリー”として、幾多の伝説を残してくれるかもしれない。

<取材・文・撮影/スポーツカルチャー研究所>
http://www.facebook.com/SportsCultureLab
海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当

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