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ファミレスやスーパーのハンバーグを食べるときの注意点

「ここ10年間で日本の外食産業は大きく変わってきています」と語るのは、近著『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』がベストセラーとなっている河岸宏和氏。昨今、食品偽装事件などで食の安全が問われるなか、海外からの輸入加工品のシェアが急増している。こうした現状に対して、「食品業界を知り尽くした男」との異名を取る河岸氏は「日本の食の危機」として警鐘を鳴らす。
河岸宏和氏

河岸宏和氏

「海外から輸入する仕入れ品が増えた一番の理由は、外食産業で『おいしさ』『安全性』を無視し、『安さ』ばかりを追求する企業が増えたこと。結果、従来は人件費が高いベテラン職人に任せていた仕事を、海外で加工して作った“仕入れ品”に頼ることでアルバイトに代替し、人件費を大幅に削減するようになった。仕入れ品は保存が利くように添加物が大量に使われている。そんなまずくて安いだけの仕入れ品が、日本の外食産業にどんどん進出しているんです」  我々の身近に溢れかえっている仕入れ品だが、一番の問題点はその事実を知らないことにある。 「多くの飲食店で使用されているのに、気づいていない人が非常に多いんです。スーパーで買う食材にはこだわる人も、外食先ではその料理がどこで作られ、どんなものかを知ろうとしない。でも、それでは利益主義の外食業者を増長させるだけ。もっと消費者が店や食品を選ぶ目を養う必要があります」  本特集では、一部外食産業の欺瞞に満ちた行為を暴露するとともに、誤った選択をしないための“プロの着眼点”を紹介していく。 ◆植物性タンパク ハンバーグ 普通のハンバーグ 見た目は普通のハンバーグ。でも、なんだか食感がフニャフニャしていて、味もイマイチ……。「そんなハンバーグに遭遇したら、肉の中に植物性タンパクを大量に混ぜている可能性が高いです」と河岸氏は指摘する。植物性タンパクとは、大豆や小麦などを原料として抽出されたタンパク質のこと。実は近年、ファミレスやスーパーなどのハンバーグに「混ぜ物」として使われていることが多いという。 「植物性タンパクは肉よりも原価が安いので、入れれば入れるほど利益が上がる。多いときには、半分近く植物性タンパクが使われたハンバーグも存在します。ただ、大量に使うと当然味が薄まるので、その味を補うためにさまざまな添加物や濃い味付けのソースなどでごまかしています」  スーパーなどで売られているパックに表示されている原材料は比率が多い順なので、肉の次に「植物性タンパク」が記載されている場合は注意したほうがいい。だが、ファミレスなど表示のない外食店の場合は、見分ける方法は皆無。自分の舌を信じるほかない。 【河岸宏和氏】 食品安全教育研究所所長。「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。最新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』(東洋経済新報社)がベストセラーとなっている ※写真はイメージです ― こんな外食店に行ってはいけない【1】 ―
「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。

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