更新日:2017年11月27日 21:31
カーライフ

“動く小山”ロールス・ロイス・ファントムから下界を見下ろしてみた

これまで見下ろされることはあっても、見下ろしたことなんてない人生に、千載一遇のチャンスが到来しました。これ1台で、東京都内に庭付き一戸建てが買えてしまうロールス・ロイス・ファントムに乗れる機会に恵まれたのです。世界一の超高級車からの景色ってどうなんでしょうか? ロールス・ロイス・ファントムMJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆一般人代表としてロールス・ロイス・ファントムから見下ろしてみた!!  世界一の高級車と言えば、ロールス・ロイス・ファントム。お値段はオプションなしで5000飛んで64万円。オプション次第でほぼ青天井となる。こんな超高級車がJAIA大試乗会に出展されたので、SPA!本誌も果敢に試乗を希望し、抽選で当たってしまいました!  そこで今回は、そこらの一般人を代表して、本誌担当Kが緊急試乗。世界の頂点に立つクルマはどんな感じだったのか!? ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=807443
ロールス・ロイス・ファントム

パルテノン神殿のような大型のラジエーターグリルやコーチドア(観音開き)が特徴的なファントム

MJ:ファントムに乗る前、誓約書は書かされなかったの? 担当K:マクラーレンは事前に誓約書を提出させられましたけど、ロールス・ロイスは何もなかったですね。僕が行っても普通に操作を説明してくれるだけで、乗せてくれました。 MJ:で、乗ってどうだった? K:一言で言うと、デカくて静かなクルマですね。 MJ:……あとは? K:V12のエンジン音がまったく聞こえないことにビックリしました。
ロールス・ロイス・ファントム

現在のロールス・ロイスはBMW傘下。12気筒エンジンはBMW製で、8ATとの組み合わせ

MJ:……ほかには? K:意外と運転しやすいなと思いました。あんなにデカいのに。 MJ:それだけ!? K:ええ、まあ。 MJ:まず運転席に乗り込んだ時、カーペットの分厚さに感動しなかった? K:なんかやたら厚いなとは思いましたけど……。 MJ:まずそこに感動して誰もが涙を流すんだよ! だってあのカーペット、厚さ10cmくらいありそうなムートンじゃないか! あのムートンを踏みつけて、その感触が足の裏に伝わった瞬間、体に電気が走るものなんだよ! K:そ、それは気が付きませんでした(笑)。 MJ:あのカーペットを踏んで興奮しない女子はいない。そして後席ドアに内蔵されたロールス純正の傘を出す! その瞬間、脳の奥底で眠っていたお姫様願望が炸裂して、女子は失神するんだよ! K:あ、あの傘、ちゃんと奥まで押し込んでからドアを閉めないと、ドアが凹むので気をつけてくださいって言われました。 MJ:それ、やっちまったら大変だね(笑)。 K:おもてなしの心はレクサス以上ですね。そもそも大きなドアに高い座面で、普通にクルマに乗り込むというより、ステキなお部屋に入る感じでした。 MJ:そう、あの見下ろし感が重要だ。ミニバン以上に座面が高いでしょ。あの下々を見下ろす視点、あれはメルセデスにはないものなんだよ。 K:そう言われれば、ベンツのSクラスも乗り心地はめちゃめちゃいいですけど、ロールスと比べると背が低いですよね。 MJ:ベンツが作った最高級車・マイバッハも、視点の低さが問題だった。マイバッハがファントムと並ぶと、上から見下ろされちまう。それが原因で販売的に大敗して絶版に追い込まれたんだ。今度復活するけど。 ⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/806543
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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