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「4列高速バス移動」を快適に過ごす10の心得 ――空気枕は2つ準備、座席は通路側がベスト…

「旅行したいけれど、新幹線は高い」「好きなアーティストの全国ツアーを回りたい」といったわがままな欲望を叶えてくれるのが、今や交通手段として年間の利用者が1億人を超えた「高速バス/夜行バス」だ。安価で交通費が抑えられるうえ、寝ている時間に移動ができる効率のよさが魅力となっている。 高速バス 便利さの一方、4列高速バスは窮屈で、なかなか眠れず疲れがたまってしまうことが多いだろう。「ちょっと工夫するだけで随分と快適になります。ポイントは、いかに普段の自分の睡眠状態に近い状況をつくるか」と話すのは、全国津々浦々、飛行機や高速バスを駆使して年間450のアイドルライブに参戦するガリバー氏(@gulliverdj)だ。ここでは百戦錬磨の氏に「4列高速バスでも快適に過ごす10の心得」を聞いた。 [1]空気枕は2つ準備する 「これは頭用と腰用です。首を囲うものがあるだけでずいぶん違うのですが、本当に快適度を変えるのは『腰あて』で、空気枕と代用できます。空気枕で代用するのは、消耗品のため同じもので使い回したほうがいいからです。寝ぼけた状態で明け方バスを降りることになりますし、失くすことがありますので、枕は100円均一で売っているもので十分です。意外と空気枕自体を持たない人は多いですが、それは武器を持たず戦場に出ていくようなもの。最悪これを実践するだけでも快適に過ごせます」 [2]通路側の座席を予約する 「バスが消灯すれば通路に足を伸ばすのも腕を投げ出すのもOKなので、窓側と通路側では快適度と圧迫感が違います。特に冬は窓からの冷気が伝わりにくいのが大きいですね。SA・PAでトイレに行くときも、他人に気を遣う必要がなくいいことづくめです」
ガリバー氏(@gulliverdj)

ガリバー氏(@gulliverdj)

[3]乗る前に顔を洗う(&できれば歯を磨く) 「顔を洗いましょう。お風呂に入ることが理想的ですが、なかなか難しいと思うので、タオルを用意しておいてちゃんと顔を洗いましょう。これだけでずいぶんとバスに乗る際のさっぱりとした感じは違います。歯も磨ければなおよしです。とにかくお風呂に入れない状況のなかで、どれだけそれに近い状態に持っていくかがポイントです」 [4]靴は脱ぐ・スリッパを持ち込む 「乗車してすぐに靴を脱ぎましょう。言うまでもなく、これはあなたの足が車内の環境を著しく汚染しないことを前提とした話です。裸足になれればなおよし。足がずっと靴に圧迫された状態にあるのはとても疲れます。夏はサンダルで乗り込むのがベストですね。SA・PAでの休憩の際にまた靴を履くのが面倒なので、スリッパはあるとかなり便利です」 [5]少しでもいいから座席を傾ける 「後ろを向いて『すみません、少し倒してもいいですか』と聞きましょう。直立のままなのと、少しでも傾いてるのは眠りの浅さが段違いです。なかには消灯前に『それではみなさん一斉に席を倒しましょう』と呼びかけてくれるバス会社もありますが、そういうケースは残念ながら稀ですね」 [6]iPhone、スマホを見ない 「目に明るい電気の光が入る以上、快適な眠りへの導入はありません。自分だけではなく周りの人の迷惑にもなりますし、消灯したらおとなしくスマホを閉じましょう」 [7]自分のスイッチの切り方を把握する 「いったん身体を落ち着く状態にする環境をつくったら次は心を落ち着かせるステップ。抽象的な話ですが、皆さんそれぞれに心のONとOFFの切り替えのスイッチみたいなものを持っていると思います。これを早々にスイッチを切ってしまいましょう。自分の場合はコンタクトレンズを使っているので、外した途端に緊張感がほぐれます。ちょっとお酒を飲むのか、人それぞれ普段もしかしたら無意識にやっていることを把握して、それと同じことを実践しましょう」 [8]心休まる音楽を聞く(または耳栓) 「身体を快適に置く環境を整えたら自分にとって心地良い音楽を聴きましょう。インナーイヤー型のものが耳栓も兼ねるので理想的です。個人的にはhoonのアルバムが好きでよく聴きますね。これはもともと坂本龍一が監修している胎教のための環境音楽集なので、ふと夜中に目が覚めてもこれを聴くと気づいたらまた寝ています。音楽がいらない人は耳栓でいいと思います」 [9]到着してからの過ごし方を決めておく 「着いてからの段取りを考えておきましょう。夜行バスの到着時刻の多くは明け方で、まだ街が動き出していません。そんななか、途方にくれてしまうと旅の疲れが幾重にも重なって身体にふりかかってきます。バスを降りてから風呂に入るなり漫画喫茶に入るなり喫茶店に入るなり、事前に下調べをしておきましょう。降りてからの行動に不安がないのも、心の落ち着く状態をつくるのに重要です。ベストは風呂やサウナに入ること。身体が温まりますし、一日のスタートとしてのリフレッシュにはもってこいの方法です」 [10]お腹をからっぽにしておく 「最後はいかにして半ば強制的に眠りやすい状態をつくるかです。とにかく寝てしまうことが重要です。そのため、オフ会などがなければ自分はなるべく夜行バスの乗車前には食事をあまりとらないようにしています。お腹が減って目が覚めるタイプではありませんし、それよりも途中休憩でトイレに行きたくなることを避けたいためです。これも個人それぞれですが、自分の場合はお腹がからっぽに近い状態のほうが落ち着きます。これ以外には、前日あえて夜更かしするなどありますね」 「窓側の座席のほうがもたれやすく眠りやすい」などの個人差はあるだろうが、まずは上記からひとつでもできることを実践して、高速バスでの旅を快適にエンジョイしてほしい。 <取材・文/北村篤裕>
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