F1の現場に帰ってきたホンダの新指揮官「今回は志願してないですよ(笑)」
シーズン開幕を前に、ホンダF1の指揮官が変わった。ホンダF1第3期(’00~’08年)時代にはチーフエンジニアとして現場運営を統括した経験を持つ“新しい顔”に話を聞いた。
【長谷川祐介】
ホンダF1プロジェクト総責任者。’63年、東京都生まれ。’86年、本田技研工業入社。’02年、栃木研究所にてF1システム開発責任者。翌年から志願してF1の現場へ。ジャック・ビルヌーブ、佐藤琢磨担当レースエンジニアおよび制御システムチーフを経て、’07年からチーフエンジニアとして現場統括責任者。「開発に携わったクルマには常に乗っておきたい」という思いから、愛車はフィット ハイブリッド(ボディカラー白)
――ご自身のF1復帰に際して、旧知のレース関係者からの反応は?
長谷川:「よく帰ってきたね」と言ってくれます。ロス・ブラウン(元ホンダF1チーム代表)や佐藤琢磨をはじめ、多くのメールももらって、うれしかったですね。
――琢磨選手はなんと?
長谷川:「帰ってきてくれて、すごくうれしいです。おめでとうございます」と。
――琢磨選手の2004年アメリカGP3位表彰台ときは担当エンジニアでしたが、あのとき泣きました?
長谷川:3位くらいじゃ泣けないですよ(笑)。
――第3期のときはF1の現場に志願されたと聞きました。
長谷川:志願というほど大げさなものではないですけど、やるからには現場でやらせてくれとは言いました。
――今回も志願?
長谷川:志願してないですよ(笑)。
――総責任者就任の内示はいつ?
長谷川:今年の頭です。ただ急に決まるものではないので、前々から話はありました。
――そのときの率直な気持ちは?
長谷川:F1に長く関わっていたので、愛着というか、なんとかしたいという思いはあったので、うれしさと、ちょうど立ち上げたプロジェクトを中断しなければいけない残念さと半々でしたね。同時に、この世界は結果がすべてなので、自分にいい結果を出せるのだろうかというプレッシャーをすごく感じました。
――惨敗した昨年の戦いをどうご覧なっていましたか?
長谷川:短い準備期間のなかで参戦にこぎつけ、1年間戦ったことには、よく頑張ったなという思いと、客観的に見て非常に残念な結果に終わってしまったという両方ですね。
――昨年の日本GPで鈴鹿に行かれとき、特に印象に残ったことは?
長谷川:成績が出てないにもかかわらず、多くの方がマクラーレン・ホンダを応援してくれる姿が非常に印象に残りました。
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