ウイスキーの聖地を巡るなら大きめのトランクを空にして行くべき理由
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第55回 ―
スコットランドのアイラ島では、泥炭(ピート)で香り付けしたスモーキーなウイスキーが作られており、世界中のファンが愛飲しています。筆者も、普段もっとも飲んでいるのがこのアイラウイスキーです。長年夢だったそのアイラ島に2泊3日で突撃し、すべての蒸留所を見学してきました。今回は、2~3日目の様子を紹介します。
アイラ島ではBnB(ベッド&ブレックファスト)に宿泊しました。施設の評判が左右されてしまうだけあり、朝食は力が入っていました。自由に楽しめるフルーツやチーズ類のほか、プレートも料金内で楽しめます。当然、地のモノを楽しみたいので、トラディショナルプレートを頼みました。残念ながらハギスはなかったのですが、ブラックプディングはありました。豚の血と脂身、スパイスなどを使ったソーセージのようなものです。ドキドキしながら食べたのですが、臭みなどはなくとても美味しかったです。イギリス料理はまずいといったイメージとはほど遠く、どこからその風評が出たのか不思議に思いました。
朝食後はすぐに出発。1日かけて6か所の蒸留所を巡らなければなりません。まずは、ポートエレン蒸留所へ。とはいえ、ここは1983年に閉鎖されています。それまでに作られていたボトルがわずかに市場に出回っていますが、筆者は見かけたら飲むようにしています。ショットで1万~2万円くらいしてしまいますが、ボトルが高価なので仕方のないところです。先日モエヘネシーディアジオから「ポートエレン 39年」がリリースされましたが、価格は54万8000円(税抜)でした。それほどのウイスキーだったのです。
当然施設の中には入れなかったのですが、ウェアハウスに描かれたロゴを目の当たりにできて感動です。キルン塔も見ることができました。ポートエレン蒸留所は復活することが決まっています。もう少しすると同じ場所に建造が始まりますが、キルン塔などは文化財として残されるようです。
驚いたのがウェアハウス内に大量の樽が眠っていたことです。ポートエレンの在庫がまだあるのか、と目が輝きましたが、どうも他の蒸留所にスペース貸ししているだけのようでした。
来年稼働すれば2025年くらいにはファーストリリースされるでしょうか。とても楽しみです。
まずは1983年に閉鎖されたポートエレン蒸留所へ
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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