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若者のカラオケ選曲、スナックのオッサン客が喜ぶのは…どれ?

「スナックでカラオケを拒否する若い客」に対して筆者の十八番であるペンの悪意が炸裂した前回。おやじの演歌や昭和歌謡が轟くスナックでは若人も歌いづらかろう、ならば何を歌えば? ということで筆者に提案した「オッサン上司にウケの良いカラオケ曲」が今回のテーマ。筆者から企画が俗物的だのエッジが効いてないだの、悪意に満ちたしっぺ返しを食らい担当編集も思わず涙目ですが、オッサン客たちにヒアリングした結果やいかに…?

第十四夜 カラオケなんか好きに歌え!

 先週に引き続き今週もカラオケです。大人の事情です。  わたし的には年末だし、忘年会の三次会とかで集団で来店してべろんべろんに酔っぱらってトイレに小便撒き散らして大洪水にしたり、手洗い場でゲロ吐いて詰まらせたりするファッキンサラリーマン共を盛大にディスって年内の毒をこの記事で出し切ってやろうと思っていたんだけども、担当のイケダツが「忘年会シーズンだし『オッサン上司にウケの良いカラオケ曲BEST5』とか~」なんて検索すりゃあその手の記事は溢れ返ってんじゃなかろうかという感じの無難すぎる提案をしてきたので、まぁわたしは担当編集の言うことをよく聞く真面目な筆者ですから一応カラオケです。  というわけで、柄にもなくお店で、四、五十代のお客さんたちに「忘年会とかでさぁ~。若者が何歌ってくれたら嬉しい~?」みたいな限りなくゆる~いアンケート的なものを取ってみたりしたんだけれども、これがまたまぁまぁ参考にならない。一番多い意見がこちら。 「別に何でもいい。どうせたいして真剣に聴いちゃいないんだから」  これが、会社の飲み会は世を忍ぶ仮の姿で、一次会くらいでさっさと切り上げてスナックで思う存分へべれけになりたいオッサンの意見であり、そのくせ自分は忘年会で歌うための『パプリカ』(米津玄師)とか『クリスマスソング』(back number)をスナックでこっそり練習しているオッサンの意見である。大変に自分勝手でよろしい。 「無理に俺らに合わせず自分の世代の曲を普通に歌ったらいいんじゃないの?」 「昔の曲歌ってくれても頑張ってんなぁ~とは思うけど、でもそれは俺らも自分で歌える曲じゃん?」  水割り(ほぼ水)のグラスを今にも倒しそうになりながら平気でそんなブーメランを飛ばしてみせる。アンタも無理して『パプリカ』歌おうとしてるやんけ。そしてそれを若い部下に「おっさん頑張って歌ってんなぁ」って思われるんだよどうせ。
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わざわざ部下が歌ってやることも…
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(おおたにゆきな)福島県出身。第三回『幽』怪談実話コンテストにて優秀賞入選。実話怪談を中心にライターとして活動。お酒と夜の街を愛するスナック勤務。時々怖い話を語ったりもする。ツイッターアカウントは @yukina_otani

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