ワンピースのチョッパーはなぜ麦わら海賊団の船医に転職したのか?
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第190回
人気マンガ『ワンピース』にトニー・トニー・チョッパーというキャラクターがいます。チョッパーはもともとドラム王国で医者の「Dr.くれは」から医術を学んでいましたが、ルフィに誘われて『麦わら海賊団』の船医になります。
あらゆる決断には「人物の影響」があります。「あの時、あの人が、ああ言ってくれたから。だから自分はこうするんだ」ということがあって、人は何かを決断します。「麦わら海賊団の船医になる」というチョッパーの決断には、彼の恩人である「Dr.ヒルルク」の影響があります。
チョッパーはもともとトナカイだったのが、「ヒトヒトの実」を食べたことで半獣半人の姿になりました。そのせいでトナカイからも人間からも迫害を受けていました。どこにも居場所がなく孤立していた彼を初めて受け入れたのが、Dr.ヒルルクです。
Dr.ヒルルクはもともとは泥棒でしたが、美しい桜を見た時に重い心臓病が「健康体だ」と医者に診断されるまでに回復した経験から改心し、「国家の病いを治す医者」を志しました。そして、その志の象徴として掲げたのが、「ドクロと桜吹雪」の海賊旗です。彼は海賊たちの掲げるドクロの海賊旗に対して、「不可能をものともしない信念」を感じていました。
Dr.ヒルルクはこの自らの経験と目標と信念についてチョッパーに語った時に海賊について言及し、「海へ出ろよ!! お前の悩みなどいかに小せェことかよくわかる!!」とアドバイスしていました。だからこそチョッパーは、海賊であるルフィの「仲間になれ」という誘いに応じたのです。
ルフィの勧誘とチョッパーの承諾に対して、第三者であるDr.ヒルルクが遠因になっている。このように決断というのは、当事者以外の誰かの言動が影響していることがよくあります。しかも、その言動は何年も前のやりとりであることも珍しくありません。Dr.ヒルルクは、チョッパーとルフィが出会う5年前に命を落としています。「海へ出ろ」とアドバイスしたのは6年前です。
チョッパーが医術を学び、医者として患者を救う決断をしたのも、同じようにDr.ヒルルクの影響です。チョッパーは勉強不足から毒キノコをヒルルクに渡してしまい、それで彼の寿命を縮めてしまった過去があります。だからこそ、単なる善意だけでなく正しい医術を学ぶためにDr.くれはの元で弟子として働いていました。
しかし、それだけでは医者になる理由にはなっても、麦わら海賊団で船医になる理由にはなりません。船医になるのはDr.ヒルルクが海賊旗を掲げ、「海に出ろ」とアドバイスしていたからこその決断です。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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