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人気アニメ『はめふら』のソフィアを引きこもりから救ったカタリナの好意とは?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第189回
引きこもり

※写真はイメージです

 人気アニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった……(通称:はめふら)』にソフィアというキャラクターがいます。ソフィアは10歳になるまで自分の部屋にこもりきりで小説を読んで空想にふける、いわゆる「引きこもり」でした。  それが数年後、魔法学園に入学する頃になると、主人公のカタリナやその友人たちと遊んだり学んだり、普通の学校生活を送るようになります。部屋にこもりきりだったのが、外に出て他人と交わるようになる。このビフォーアフターには、彼女の考え方の変化がありました。  決断や考え方の変化には人物の影響があります。「あの時、あの人が、ああ言ってくれたから、だから自分はこうするんだ」ということがあって、人は何かを決断したり、自分の考え方を改めます。ソフィアの場合、影響を受けたのはカタリナです。  この作品はカタリナの明るさによって、悩みや苦しみや悲しみを抱えていたキャラクターたちが救われていく過程が見所の一つになっています。ジオルドの場合は「つまらない」と退屈していたのが、彼女の予想外の言動に楽しみを覚えるようになりました。メアリの場合は自分に自信をなくしていたのが、「臆病な自分とはさよならする」と決断できました。  ソフィアの場合、彼女にはアルビノ(白髪と赤目)という特徴がありました。他の人間と異なる彼女の容姿は、国務の重要ポストを担い、国王の信頼も厚い彼女の父親を妬む貴族たちにとって、格好の攻撃材料でした。  自分に温かく接してくれる家庭と、自分の容姿について「気持ち悪い」「気味が悪い」「呪われている」と冷たく接してくる社会があったら、誰でも温かい家庭の方を選びます。その当然の選択として、彼女は部屋にこもり、物語と空想にふける生活を送るようになりました。  しかし、そんなソフィアに転機が訪れます。「外の世界に少しずつ慣れるように」と父親に諭され、彼女は渋々ながらお茶会に参加することにしました。そこで出会ったのが、主人公のカタリナです。  カタリナはそれまで誹謗中傷の対象になっていたソフィアの白い髪を「シルクのようだ」と、また赤い瞳を「ルビーのようだ」と賞賛し、「友達になってほしい」と願い出ます。それはソフィアにとって青天の霹靂でした。  この時のソフィアの心情はアニメ版ではあまり表現されていません。しかしWEBサイト『小説家になろう』に投稿されている原作では、彼女がカタリナの言動にどれだけ救われたのか、どれだけ感謝しているのかが、モノローグの形でしっかり描かれています。 「友達……そんなものできるはずないと思っていた。だからずっと部屋に籠り一人空想して過ごしてきたのだ。でも、本当はずっと友達が欲しかった。ずっとずっと欲しかったのだ。カタリナが握ってくれた手の温もりに、嬉しそうな笑顔を思い出す。私はずっと欲しくて、でもずっと諦めていたものを手にすることができたのだ」(原作『一人部屋に籠り本を読んで』より引用)  人間が心を揺さぶられるには条件が二つあります。それが「表情」と「触感」です。カタリナは「シルクのようだ、ルビーのようだ」と賞賛するだけでなく、ソフィアのことをキラキラとした眼差しで見つめ、彼女の手をぎゅっと握りしめました。だからこそ、その言動はソフィアの心に焼きついたのです。  決断や考え方の変化や、それを引き起こす人物の影響は、すべて心の世界の出来事です。そして、この心の世界は「心の空間」と「心の時間」のどちらかで説明することができます。心の空間は家族や友人や同僚など、「自分が誰に囲まれているか?」を意味します。一方、心の時間は「誰かと出会った時に始まって、誰かと別れた時に終わる一括りの期間」を意味します。ソフィアの場合は、心の空間が当てはまります。  カタリナに出会う前のソフィアには、「温かく接してくれる家族」と「冷たく接してくる他人」の2種類の人間しかいませんでした。そのためソフィアは家族とばかり接するようになり、社会との繋がりが希薄になりました。その状態が引きこもりです。  しかしカタリナとの出会いによって、ソフィアは「温かく接してくれる他人」を知ります。その結果、「他人は自分を攻撃してくる怖いもの」という考え方が変わり、社会との繋がりを取り戻すことができました。それが「カタリナやその周りの友人たちと学校生活を送る」という状態です。
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心は人と人の結びつきでできている
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