「アイドルならこのぐらい当然」を押し付けるファン、イベントで胸を…
SNSを中心に“ポテサラ論争”が巻き起こった。これは、スーパーの惣菜コーナーでポテトサラダを手にした子連れの主婦に向かって、高齢の男性が「母親ならポテサラくらい作ったらどうだ」と言い放ったという目撃情報のツイートに端を発するものだ。Twitter上では「ポテサラは手間のかかる料理か否か」「男性の発言はいかがなものか」と物議を醸した。
実際、自分自身の「○○なら○○くらいできて当然」という思い込みを強要してくる人は少なくない。それは“アイドルの現場”においても日常茶飯事なのである。
「“アイドルはこうであるべきだ!”っていう理想を押し付けてくるオタさんは多いですね」
とあるアイドルユニットに所属する苗さん(21歳・仮名)がこう話す。
「さすがにひと昔前のような“アイドルは黒髪で清純派じゃないとダメ!”なんて人はあまりいませんが、今ってTwitterやInstagramをみんなやってるじゃないですか?
そのなかで、自分のものさしでアイドルに対して更新やリプ返(※コメントの返事を返すこと)を強要する人は多いんです。私のツイートに対してコメントしてくれるのはうれしいのですが、私が返事をしないと、『アイドルのクセになんでリプ返もしないわけ?』『君よりもっと売れてるアイドルは毎日リプ返をしてるよ、見習いなさい』『リプ返もしないなんて、アイドルとして意識が低い』なんて書き込まれることもあります。確かにアイドルとしてやった方がいいのはわかります。私も、出来る範囲で返してはいるんです。でも……」
苗さんはアイドル活動と並行して現役大学生でもある。その二足のわらじだけでも大変そうだが、ひとり暮らしのためにアルバイトもしているそうだ。
「バイトは深夜のカラオケ店。大学に行ってからライブに出て、その後アルバイトするなんてこともあります。だから、本当に疲れて返事が返せないこともあるんです。もう帰ってすぐ爆睡みたいな。オタさんの中には、物販でチェキが売れてるから『苗チャン、俺より稼いでるんじゃない?』なんていう人もいるけど、とんでもない。半分くらいは事務所に持っていかれちゃうし、アイドルの月収は良くて5万円。
アイドルが本業とはいえ、実家の経済的な問題もあってバイトをしないと生活はできないんです。実家暮らしとか彼氏に養ってもらってるとかなら、余裕もあるだろうけど。同じアイドルでも状況や環境は人それぞれ違うのを分かってほしいです」
Twitterでリプ返を強要、理想のアイドル像を押し付けるファン
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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