マジパンの新章が開幕――。
アイドルグループの
マジカル・パンチラインが5月2日、横浜ベイホールにて<LiVE PARK 2021 ここから始まる私たちの物語~キラハピ~>を開催。
昨年11月にオリジナルメンバー3人が卒業した後、2月に新加入した3名を加えた新生マジカル・パンチラインとして初のワンマンライブだ。
幕開け1曲目には新曲『キラハピ』を披露。このタイトルは新体制のコンセプト「世界中の毎日をキラキラハッピーにする!!」を略した言葉であり、新しいマジパンのテーマソングともいうべき曲である。
レーベル移籍後は「苦境もあったが諦めずに上を目指す」というメッセージ性が強い『今日がまだ蒼くても』『もう一度』『これから、私!』『名もなきヒーロー』といった曲を主にリリースしてきたマジパンだが、新体制では新しい世界観でパフォーマンスをしていく決意表明ともいえる曲が『キラハピ』なのだろう。
末っ子天然キャラが新衣装のデザインに挑戦
吉澤悠華がデザインを手がけた新衣装
新体制ではプロデューサーも務める沖口優奈は、ライブ前のSPA!本誌インタビューにて、「去年まではずっとZeppでワンマンライブをやりたいと言ってきたけど、新体制のマジパンでは、今のメンバーと一緒に新しい目標を立てたい。まずはゼロから始まるマジパンを見てもらいたいです」と語った。
またコンセプトについて、「みんな明るくて、とにかくいつも楽しいんです。学校の休み時間みたいな感じで、なぜかすぐに鬼ごっことかが始まる感じ(笑)。そんなハッピーな空気を、パフォーマンスを通じてみなさんに届けられたらいいなと思うんです」(沖口)とも語っており、5月2日のライブはまさにこの言葉通り、客席のファンたちを笑顔にする“ハッピーでジョイフル”なライブとなっていた。
沖口いわく、この雰囲気の核には吉澤悠華の天真爛漫さがあるとのことで、同インタビュー時には「先輩メンバーによってグループの色が決まるので、悠華が先輩になったことで底抜けに明るい空気になりました。悠華の存在は大きくて、そこに加わった3人も天真爛漫で」と新しいグループの特徴を解説。
マジカル・パンチライン・吉澤悠華
末っ子天然キャラとしてツッコまれがちだった吉澤も、先輩になっての変化を聞かれ「今まではリハでちょっと注意されただけでも泣いてたけど、最近は先輩になったので泣かないように上を向いて乾かしています」と成長したのかしていないのか、微妙な返答をしていたが、ステージではまさに“キラハピ”な空気を牽引するべく、常に客席に笑顔を向けていた。
また、高校3年生である彼女は進路に悩みつつも「デザイン系に興味がある」と話していたのだが、このライブでお披露目となった新衣装のデザインを手がけたという。
ライブのMCにて、「新たなスタートをテーマに、何色にも染まっていない白を、生地はキラキラして夢が詰まったオーロラを選びました。メンバーごとに似合う形を考えて、それぞれ上半身が違うデザインになっています」と衣装について説明。
新体制ではプロデューサーも務める沖口優奈
吉澤がデザインを担当したことについて、沖口も「最初は悠華って絵を描けるの? って不安もあったけど、すぐに5パターン描いてきて、その後も色々と調べて素材や飾りの提案してきたんです。そんな才能あったの?ってびっくりでした(笑)。いまドヤ顔してるけど、それに見合うかわいさになってると思います」と、後輩の努力を認めているようだ。
新たな装いでのライブで初披露された新体制2曲目は『Shiny Shoes』。恋する女の子が新しい靴を履いて駆け出す様子を描いた歌詞で、新衣装に身を包んだメンバーたちが未来にワクワクする様子と重なり、彼女たちのパフォーマンスがさらに引き立つ楽曲だ。
新たに加わった3人のメンバーも、努力の跡が垣間見える安定した歌と踊りを披露。
新メンバー・13歳の宇佐美空来
インタビュー時にはプロデューサーの沖口をして「オーディション時にパフォーマンス力がずば抜けていた」という元ウクレレシンガーの宇佐美空来(うさみ・そら、13歳)は抜群の歌唱力を発揮。
ウクレレのフェスにて高木ブーとの共演経験も持つ彼女は、昨年まで歌唱力や発声に定評があるメンバーが担当していた『今日がまだ蒼くても』の歌い出しなど、重要なパートを数多く務めた。
海外でのライブなど場数を踏んできただけあり、高いキーが要求される曲でも音を外さず、その力強い歌声でユニゾンでもグループのステージングを支える屋台骨として機能していた。
新メンバー・15歳の山本花奈
「キャラクターが底抜けに明るくて、この子がいるだけでその場がぱっと明るくる」(沖口)という山本花奈(やまもと・はな、15歳)は、幕開けからステージを降りるまで常に笑顔で観客と向き合い続けていた。
MCのトークを担当する箇所もあり、その話しぶりから人懐っこさを感じ取った観客も多かったはず。コロナ禍を経て、握手会などのイベントが始まった後には真価を発揮しそうなキャラクター性を垣間見せていた。
新メンバー・17歳の益田珠希
「顔が小さくてマジでかわいい。見た目からクールな子だと思ってたら、よく笑うし、ドジでおっちょこちょい。アイドル性が抜群」(沖口)という益田珠希(ますだ・たまき、17歳)。
過去にはバスケットボール部で厳しい練習に耐えてきた体育会系で、自らも「負けず嫌いで根性はあるほう」と語る。新メンバーで唯一芸能経験がないなか、その経験不足を感じさせないクオリティのパフォーマンスを見せていた。
この可能性あふれる3名を加えた新生マジパンが世界をキラキラハッピーにするべく、まだ見ぬ世界の向こうへの一歩目を踏み出したライブとなった。
新生マジパンが、世界中の毎日をキラキラハッピーにする!!
【セットリスト】
LiVE PARK 2021 ここから始まる私たちの物語~キラハピ~
1.キラハピ ※新曲
2.マジカル・スーパーマーケット
3.Alright
4.ハルイロ
5.今日がまだ蒼くても
6.名もなきヒーロー
7.ぱーりないと!!
8.Shiny Shoes ※新曲
9.Melty Kiss
10.これから、私!
11.ONE
※新曲「キラハピ」は、5月26日にデジタルシングルとしてリリースされる事が発表された。
取材・文/森ユースケ
撮影/名和洋助