窪塚洋介が明かす激動の20代と現在の思い
雑誌のインタビューは、取材対象者がなんらかのプロモーション中であることが多い。だが、今回の窪塚洋介には一切の宣伝案件がないという。なにを聞いてもOK、究極のNGなし。変わっている。
思えば、窪塚洋介は昔から“普通”ではなかった。史上最年少での日本アカデミー最優秀主演男優賞獲得、自宅マンション(9階!)転落事故から奇跡の復活。レゲエアーティストとして地道に活動していたかと思えば、ハリウッド映画に出演し、SNSでの奔放な言動で飄然と炎上させもする。人間・窪塚洋介、そのど真ん中にあるものとは?
――インスタグラムでの投稿などで世間をざわつかせることもある窪塚さんですが、炎上中の本人は、どのような精神状態なのでしょうか?
窪塚:称賛と情熱と冷静の間、ですかね。この間も徳島県でマスクをしないで人と会っているところをポストしたら久しぶりに炎上して。もう燃えかすしか残っていないと思ってたんですけど、あ、俺まだ炎上するんだと思って(笑)。余談ですけど、一時期SNSではやった、「ロバと老夫婦」の話って知ってます?
――いいえ。教えてください。
窪塚:おじいちゃんがロバに乗って、自分の足で歩いているおばあちゃんと並走していると「おばあさんがかわいそうだ」と文句を言う人がいる。「そうか」っておばあさんを乗せて歩いていると「けしからん女だ」と怒る人がいる。ふたりで乗っても「ロバがかわいそう」となるし、ふたりで歩いていると「ロバの使い方も知らないのか!」ってパターンもあって。
これって結局、正解なんてなくて自分が思ったように生きろよってことだと思うんですよ。マスクのことに関しては、たとえ建前だとしても公共の場ではしています。でも、いちいち人が言うことを気にして生きてらんないし、そんな言葉がなんぼのもんじゃいという気持ちもやっぱりあって。
――我が道をいくスタイルは、若いときから確立されていましたか?
窪塚:いやぁ、20代の前半とかはもうちょっとナイーブだったんで(笑)。あるひと言に対して3か月ぐらい気にしたりしていましたし。
――『東京新聞』に掲載された家族にまつわるインタビューも話題になりました。バツイチの窪塚さんは元の奥様との間に長男がいて、でも、現在の奥様と元の奥様が仲良くて、長男は現在の奥様のことも「お母さん」と呼ぶ、と。どうすれば、そんな関係性が築けるのですか?
窪塚:いやいや、前の妻と今の妻が仲良くなるのはやっぱり大変でしたよ。今の妻はわりと物わかりがいい人で、俺が前の妻にはなんの未練もなくて長男のためにリンクしていることも腑に落ちるのが早かった。でも、前の妻はけっこう宇宙人タイプなんで(笑)。
だからふたりが仲良くなれるようにやれることはやって、前の妻にちゃんと生活費を渡すとか当たり前のことも全部やって「これ以上はもう無理!」ってときに、台湾で仕事だったんです。台湾での俺、毎日祈ってましたからね。そしたら、なぜかその頃から、ふっと前の妻がやわらかくなってくれて。あれは御神力みたいな状態だったんですよ、マジで(笑)。
いちいち人が言うことなんか気にして生きてらんない
20代の前半はもうちょっとナイーブだった
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