カーライフ

コロナ禍で中古車相場が急騰? 10万円で売ったセルシオの売値が30万円に

所有してわかったセルシオのコスパの良さ

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  今から4年前、私は中古のセルシオを総額38万円という金額で購入したのですが、その時思ったのが「新車の軽自動車を買うよりも結果的に安い」ということでした。セルシオは、壊れにくいクルマとして有名で、高級車としては驚くほど整備費用等がかからない部類。もちろん、4.3リッターの排気量によって自動車税は高いわけですが、本体価格の安さがそれをカバーできてしまうというわけです。
セルシオ

とても綺麗だったが、売却後解体されたことが判明したセルシオ

「38万円」という価格の中古車は、なんだか危なっかしいように思え、それがセルシオのような高級車であればなおさらです。しかし、私が所有していた2年間、セルシオは全く壊れることなく、狙い通り「安いクルマ」で済んだわけです。  ちなみに、セルシオには大まかに、「エアサス」と「バネサス」の2つがありますが、維持費がかからないのは「バネサス」のほう。サスペンションは消耗品であるわけですが、エアサスはざっと1本10万円ぐらいと言われているため、不調になったら4本で40万円ぐらいは覚悟しなければなりません。これぞ、まさに「高級車らしい整備費用」と言えるわけですが、「バネサス」を選べばそういった費用はかからないのです。  そして購入から2年後、私は、そのセルシオを10万円で売却。総額38万円で購入したため、「買値38万円 – 売値10万円=28万円」。つまり実質28万円で乗れたということになります。

クルマの相場はV字曲線で推移する

 セルシオを売却したのは、2019年2月だったのですが、その際、3代目セルシオの業者オークション相場は、10万円前後という底値状態だった模様。私は買取店に売却したのですが、担当者に業者オークション相場の画面を見せてもらうと、程度が良い車でも、10万km以上走行したようなクルマでも、おおよそ10万円前後といった様子が画面に映し出されていました。  通常、クルマの相場は、デビューから15年後ぐらいが最も安くなり、その後徐々に高くなるという法則があります。  なぜ、一旦安くなったのが高くなるかというと、底値状態の時では、問題なく動くクルマでも解体されてしまうからです。おそらく安価な相場では、1台のクルマとして売るよりも、部品として売るほうが、利益が出るということなのでしょう。  そのようにして解体された結果、個体数が少なくなったクルマは、古くなるにつれ「希少性」が高くなります。そうして、デビューから15年後ぐらいに「底値」だったクルマは、その後10年、20年といった時間が経過すると、じわじわと高くなっていくわけです。  ですから、私は2019年において、セルシオが底値状態の時、このような相場は後10年は変わらないと思っていました。  しかし、そう思ってから2年後の今、なんとセルシオ相場には異変が起こっているらしいのです。
次のページ
コロナで中古車相場高騰?
1
2
3
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ