“将来不安”の元CA、20代女性が選んだセカンドキャリア「お金をしっかり学びたかった」
今も昔も女性が憧れる仕事のひとつにCA(キャビンアテンダント)がある。華やかなイメージのある職業だが、ここ数年の航空業界はコロナ禍の大きな影響を受けてきた。そんななかで、セカンドキャリアを歩み始める人もいる。CAで学んだ接客力や傾聴力を生かして成果を上げる人も少なくないが、航空会社のCAを4年間勤め、現在は不動産投資の営業を務めるネクスウィルの松田美江さん(25)もその一人だ。
幼少期から英語に親しんできた松田さん。小学校から英語を習い始め、中学校では英語のディベート大会に参加していた。
英語にどっぷりと浸かった生活を送りつつ、高校時代はアルバイトで接客を経験。いつしか「英語」、「接客」、「海外」が好きになったそうだ。
「英語で接客ができて、かつ海外にも行けるCAに憧れるようになって。母親からも『航空大学へ通って本気でCAを目指せば?』と後押ししてくれたこともあり、航空大学へ進学することに決めたんです」(松田さん、以下同)
そして、在学1年目に大手航空会社「バニラ・エア」に内定をもらい、フライト業務をこなしながら大学を卒業する。19歳でCAになるという夢を掴んだ松田さん。しかし、華やかなイメージとは裏腹に、苦労したことも多かったとか。
「朝早くから勤務したり、深夜フライトで夜遅くまで機内で過ごしたりと、とにかく生活リズムが不安定でした。決まった時間に寝れないので、不眠になることも。今思うと、結構辛かった部分もあります。当時は国内線と国際線の両方のCAを務めていたので、1日に4便乗ることもありましたね。
『日本を出発し、泊まるのが海外』というのも日常茶飯事で、特にベトナムやフィリピンなど東南アジアの国では、お腹を壊さないように食べる物にも気を遣っていました。そういうときは決まって、ホテル近くのレストランやスーパーで買い物をするんですが、そのぶん食費もかさんでしまい、ぜんぜん貯金もできるような状況ではありませんでした」
それでも4年間勤めたCA時代のうち、機内トップセラーを2年連続で受賞するなど、仕事にはやりがいを感じて日々楽しく過ごしていたそうだ。
「『機内トップセールス』と聞くと、お客様に売り込むイメージを抱くかもしれませんが、私は、『お客様が話しかけやすいCA』になることを心がけていました。体調を崩したとき、アクシデントが起きたとき、子供が騒いでしまったときに気兼ねなく話せる。そんな雰囲気を出せるよう、キャビンをゆっくり歩いたり、お客様と目線を合わせたり、何かサービスを提供する際も、『プラスアルファのお声がけ』を常に意識していました」
何かカップに注いで飲み物を渡す際に「お大事にしてください!」と一言添えたり、機内の窓際に座って一丸レフカメラで外の景色を撮るお客様に、メッセージカードやシールなど無料の航空グッズを渡したりするなど、細やかなサービスを提供していたとのこと。
こうすることで自然とコミュニケーションが生まれ、ミールや飲み物を頼むきっかけづくりにもなり、外国人のお客様からは免税品やスカイライナーのチケットも販売できたという。
CA時代は機内トップセラーを2年連続で受賞し、今の会社では年間200回以上のセミナーに登壇。さらには、若年層のマネーリテラシーを向上させるために、SNSで発信も行っている。CAから異業種へ転職した詳しい背景や、赤裸々な家計事情について松田さんに聞いた。彼女が今後目指すものとは……。
19歳で憧れのCAに。独特の生活リズムに苦労
プラスアルファの声がけで機内トップセラーを受賞
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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