『ヤギと大悟』から『まつもtoなかい』まで…いま注目のバラエティ番組を“徹底分析”してみた
今春、新たにスタートしたバラエティ番組が何本かある。各局にあるわけではない。ゴールデン・プライム枠が好調な日本テレビには大きな動きがなかったし、TBSは『夜明けのラヴィット!』が始まり、「麒麟・川島明といえばTBS」のイメージをさらに強くした程度の印象。
自ずと、目立った動きを見せたのは残りの他局ということになる。
テレビ東京から見ていきたい。
・『正解の無いクイズ』(月~水曜午後5時30分、4月3日から)
・『ヤギと大悟』(金曜午後7時25分、4月7日から)
まずは、特番時代にギャラクシー賞の月間賞にも選出された『ヤギと大悟』から。『モヤモヤさまぁ~ず2』も『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』も特番からレギュラーへ昇格する際は反対意見が多く聞かれたが、今となってはまごうことなき同局の重要コンテンツだ。それらに比べると、『ヤギと大悟』はかなり歓迎ムードに包まれてレギュラー化を果たしたという印象。今まで3回あった特番はいずれも休日昼の放送だったが、4月からは金曜夜7時25分からのスタートである。
レギュラー化に際し、筆者は同番組総合演出の冨田大介プロデューサーにインタビューしている。冨田Pいわく、1度のロケを3~4回に分けてオンエアする……という形式を想定している模様。『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)で1日に8本撮りという鬼畜スケをこなしてきた大悟からすれば、朝飯前だろう。
4月7日放送のレギュラー初回では、茨城県笠間という明らかになにもなさそうな場所をロケ地に選ぶ不可解さだったり、相変わらずタバコをぷかぷかと吸いまくる大悟のテンションが信用できた。
ヤギの平均寿命は15~18歳らしい。そして、この番組の主役であるヤギのポポはまだ2歳だ。大悟がどこかで変なスキャンダルを起こさないかぎり、長寿番組になる可能性もあるということ。正直、こんな番組が週1回あるとテレビ好きとしてもほっこりするし、ありがたい。
そして、毎週月~水の17時30分~17時45分に放送される『正解の無いクイズ』も要注目である。MCは呂布カルマ、山添寛(相席スタート)、加納(Aマッソ)という座組で、回答者は世に名を轟かす天才奇才の面々たちだ。
例えば、初回では「サザエさん一家に高級オープンカーを買わせるにはどうしたらいいか」という問題が登場。これを、哲学者や弁護士、東大生、成田悠輔、トム・ブラウンらが考えるのだが、これがメチャクチャおもしろい。
「サザエさん一家を~」に限らず、出題される問題は毎日絶妙だ。『IPPONグランプリ』(フジテレビ)ばりに綿密な会議がされていることが、容易に想像できる。
それでいて、大喜利っぽいけれど決して大喜利ではないところが重要ポイント。まさに“正解の無い問い”に回答者たちはどんな答えを導き出し、他者を納得させていくのか? その思考回路を楽しんでほしい。各回答者が自論を述べている様を見ていると、いつしか、知識人の思考回路がインストールされるかのような快感がおそってくるはずだから。
加えて、MC陣の3人が一般的な考えやモラルをしっかり持っているのも見逃せない。賢人たちの回答をうまく精査し、視聴者のしっくりいくところに着地させてくれる流れが、なんとも気持ちいいのだ。
夕方放送の番組だが、夜、お酒を飲みながらTVerで鑑賞するのが筆者おすすめの見方である。
『ヤギと大悟』は長寿番組になる可能性も…
唯一無二の味わい 『正解の無いクイズ』
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