テレビ朝日は、今春から「スーパーバラバラ大作戦」の放送枠が拡大。中でも注目は、『スーパー山添大作戦』（火曜深夜2時47分、4月3日から）だ。 　番組のコンセプトは決まりきっていない。初回放送でMCの山添寛（相席スタート）は「スーパーバラバラ大作戦のいろいろな番組になんとしてでも出ることを目指す番組」と宣言しており、建前はそういう趣旨でいくのだろう。だから、『スーパー山添大作戦』という、スゴい番組タイトルになった。ついに、「バラバラ大作戦」枠での生き残りそのものを目的にした番組が誕生したというわけだ。 　現代のダークヒーロー・山添の生き様を見せつける、至極のドキュメンタリーになることを期待している。 　ちなみに山添は、『スーパー山添大作戦』と『正解の無いクイズ』に加え、5月7日スタート『一億総リミッター解除バラエティー　衝動に駆られてみる』（テレビ朝日　日曜深夜0時25分）にも出演する。今春、レギュラー番組が一気に3本も増えた山添。ダークヒーローの時代だ。 　今期、フジテレビの動きは際立って活発だった。4月からの主なバラエティ新番組は、以下である。 ・『ひらけ！パンドラの箱 アンタッチャブるTV』（火曜午後9時、4月11日から） ・『内村と相棒』（水曜深夜12時25分、4月12日から） ・『オールナイトフジコ』（金曜深夜12時25分、4月14日から） ・『川島明の芸能界（秘）通信簿』（土曜午後1時30分、4月15日から） ・『私のバカせまい史』（木曜午後9時、4月20日から） ・『まつもtoなかい〜マッチングな夜〜』（日曜午後9時、4月30日から） 　まず、アンタッチャブルにとって初のゴールデン冠番組となる『アンタッチャブるTV』から言及していきたい。これまで4度放送されてきた特番を経ての、レギュラー昇格だ。 　よくあるVTR鑑賞番組ではなく、アンタッチャブル自らがロケに出ている点がいい。これがまた、アンタッチャブルらしい無駄の多いロケなのだ。「これぞ、ザキヤマ！」ともいうべき蛇足な小ボケの連発を、律儀に柴田英嗣がすべてツッコんでいく。かつての空白期間がウソだったかのように、2人がイチャイチャしている。 　番組のコンセプトは、ネット上のレビューで低評価をくだされているスポットに訪れ、そのレビューは本当なのかを確かめる……というもののよう。 　11日放送の初回では、5点満点中1.8点だった旅館にアンタッチャブルが訪問。実際に宿泊すると、レビューどおりに浴室のお湯が出ないという惨状を目のあたりにしたが、それをただバカにするだけでは終わらなかった。番組が修繕を買って出て宿を救済する……という、テレビの力をポジティブに使う展開がその先に待っていたのだ。 　低レビューの旅館に訪れてバカにしたままだったら、悪質なYouTuberと同じである。笑いにした後でちゃんとフォローし、『大改造!!劇的ビフォーアフター』（テレビ朝日）ばりにいきなり良い旅館へ急変していく流れには、「テレビもまだまだ捨てたものじゃない」と思わせてくれる正義があった。『とんねるずのみなさんのおかげでした』（フジテレビ）の「きたなトラン」を令和版にバージョンアップした内容だともいえる。 　惜しむらくは、『マツコの知らない世界』（TBS）の真裏だったという点か。敵が強すぎる。