仕事

田舎町で働く“平均年収より稼げない”放射線技師の嘆き「有給すら取れない」

 全国的に人手不足と言われている医師や看護師。特に入院病棟のある大きな病院では夜勤があるので仕事の過酷さは街のクリニックとは比べ物にならない。しかも、それはほかの医療従事者にも言えるようだ。  大沢輝明さん(仮名・37歳)は、生まれ故郷の九州の田舎町にある総合病院に勤める診療放射線技師。レントゲンやCT、MRI、マンモグラフィーといった放射線や超音波などを使って異常がないかを調べる検査のスペシャリストで今年でキャリア15年目。今の病院に転職してからは8年目となる。
診療放射線技師

画像はイメージです

人手不足で休みが取れない? 15連勤したことも…

「ドクターは私たちが検査した患者さんのデータをもとに治療方針を決めます。当然、夜勤だってありますし、地域の基幹病院なので急患が運び込まれることも多い。深夜はワンオペ業務なので昼間よりも忙しいことも多く、食事どころかトイレに行くヒマさえない日も珍しくないです」  現在は夜勤が月に平均10日前後。現在は約8名の放射線技師でシフトを組んでいるが病院の規模を考えると、明らかに人手不足とか。急きょ呼び出されることもあり、まとまった休みを取れないとか。 「特にひどかったのは2020~22年。コロナ禍の間は野戦病院のような殺伐とした雰囲気で、そのタイミングで立て続けに放射線技師が辞めてしまったので体力的・精神的に本当にキツかったです。15連勤したこともありましたし、我ながらよく倒れなかったと思います

結婚は「半分諦めている」

 基本的に自宅と病院を往復する毎日。疲れが溜まっているので休日も出かける気にならず、せいぜい買い物をしに地元のイオンモールへ行く程度だ。 「9年前に彼女と別れてからは女性にはまったく縁がなく、現在も独身です。おまけに今住んでいる故郷の町は年寄りばかり。病院には看護師や医療事務の方など女性スタッフも大勢働いていますが、ほとんどが既婚者。以前は人並みに結婚願望を持っていましたが、今はもう半分諦めています(苦笑)」  見かねた母親の勧めで一度だけお見合いしたことがあるが夜勤の多さや激務ぶりがネックとなり、会ったその日の夜に相手から断りの連絡があったそうだ。
次のページ
待遇改善を訴えたら病院幹部からまさかの…
1
2
3
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ