日高屋82歳会長が語る、“4億3000万円分”自社株譲渡の真意「人が唯一の財産。成長したら分配したい」
大手飲食チェーン店「熱烈中華食堂 日高屋」を展開している、中華料理チェーンで売上2位の株式会社ハイデイ日高。今年、ついに創業50周年を迎えた。
「10人中7人がおいしい味」“創業50周年”日高屋会長が語る、生い立ちと創業の苦労
――従業員の方々と会う機会を会長自ら作っていると聞きました。なかなか聞かない取り組みなので驚きです。
神田正(以下、神田):パート・アルバイトの方が参加できる「感謝の会」という会をやっているんですよ。もう10年ぐらいやっています。コロナでここ3年はできなかったけれど、今年ようやく再開しました。
朝の5時まで10年も15年も働いて、うちの基礎を作ってくれたアルバイトさんが辞めるときに「ご苦労様」も言えないことが人間としてたまらなくなって始めました。そうしないと店舗の方々と話す機会がないんですから。
――従業員に約20万株(約4億3000万円分相当)もの自社株式贈与もされたそうですね。
神田:2018年にも一度おこなっていて、今回が2回目。みんなに証券口座作ってもらって渡す形を取っています。ちなみにもう1回くらいやる予定です。
株式贈与って、「分かち合う資本主義」と言ってアメリカの企業が結構やるんですよ。日本にはまだ全然浸透していないので、先陣を切ってやるぞ、日本の経営者もやりなさいよって気持ちも込めてね。あまりにも珍しかったらしく、ニュースにも取り上げられたし、とくに1回目は「贈与をしようと思った理由が知りたい」と大学などから偉い人がたくさん話を聞きにやって来ました。
創業者は神田正(かんだただし)代表取締役会長(82)。そんな神田会長が今年4月におこなわれた「経営計画発表会」で、自身の保有している自社株式の一部である約20万株(約4億3000万円分相当)を従業員に無償で贈与することをサプライズで発表。対象者は役員や正社員だけでなく、条件を満たしたパート・アルバイト従業員も含まれており、早くて今年7月にも贈与予定だという。
人との出会いを何よりも大事にする神田正会長に株式贈与の背景や経営論、将来展望などについて聞いた。
【前回記事を読む】⇒
会長自らで従業員に会う「感謝の会」
約4億3000万円分相当の自社株を贈与
医療従事者として都内総合病院に勤務していたが、もともと興味のあったWebライティング業界に思い切って転身。大手メディアと業務委託契約を結び、時事ネタ・取材をメインに記事を執筆。中には450万PVを達成した記事も。ちなみに国内外問わず旅行が趣味で、アメリカ・オーストラリアで生活をした経験もあるバイリンガル。現在、海外移住計画中
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