高利回り【デスボンド・大災害債券・保釈金証券化】のカラクリ
欧州危機に増税……。今こそ、富裕層が独占する「カネの増やし方」を盗め!とばかりに、SPA!では、大金持ちだけが知っている投資先をご紹介してきたが、富裕層向けには風変わりな金融商品もあるようで……
◆ 死亡保障を現金化する死の債券「デスボンド」
一言で言うと、「生命保険の証券化商品」だ。例えば「死亡保障1億円」の生命保険を金融機関が2000万円で買い取り、その後の保険料を引き続き支払う。実際に被保険者が死亡した場合、金融機関が1億円を受け取り、投資家に分配するという仕組みだ。70歳なら2割、75歳なら4割で買い取ってもらえるとか。
「利回りは7%程度と高く、数千万円から購入可能です」(岡村氏)
◆ 大災害発生時に備える社債「キャットボンド」
別名、「カタストロフィ・ボンド(大災害債券)」。仕組みは、デスボンドにやや似ている。
「事業会社は、災害発生時に甚大なリスクを背負います。もちろん、損害保険会社と保険契約を結んでいますが、実損額の査定に時間がかかることもあります。そこで、大規模自然災害に備えて債券を発行して、お金を先にもらっておこうという発想が生まれたのです」
実際に災害が起きれば、得た資金を復興費用に充てられ、元本の償還が免除される仕組み。投資家からしたらイチかバチかの賭けだが、災害が起きなければ社債よりはるかに高い金利が得られる。
◆ 逃亡の恐れがない被告人の保釈金に“出資”
政治家や芸能人が巨額の保証金を積んでシャバの空気を吸う保釈金制度。これも資金運用のネタだ。
「日本保釈支援協会では、身柄を勾留された人や家族の味方になって保釈金を立て替えています。ただ、協会の手元資金には限りがあるため、保釈金を証券化して投資家に販売しています」
投資家が間接的に保釈金を融資しているのと同じだ。
「証券は1口300万~400万円で年3%と好条件。元本保証はないが、裁判所に保釈を認められた刑事被告人が行方をくらますケースは稀なので、地方の資産家に人気なのだとか」(株式ジャーナリスト・大神田貴文氏)
自分の死亡保障もお金に……。薄気味悪い商品だが、市場は年々、拡大している
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