【全国の歴史系博物館】地域別総覧①-1(まえがき)

全国には優れた歴史系博物館がある。左は千曲市森将軍塚古墳館、右は平和祈念展示資料館(東京都新宿区)。

 日本は歴史の古い国であり、全国各地に貴重な遺跡や史跡、重要文化財がある。そして、それらの歴史的文化財を保存・収集・展示している博物館や資料館、記念館(以下、一括して博物館と称す)が数多く設立されている。

 国立の施設もあれば、都道府県立、市町村立の施設もある。また、歴史上の出来事や人物を記念する財団法人や個人によって運営されるもの、あるいは「モノの歴史」を展示するために企業が運営する施設もある。

 展示方法は、一つの時代やテーマを絞り込んで紹介する[A]時代テーマ別展示と、その地域の古代から現代までを「通史」で紹介する[B]通史展示などがある。

 これらの博物館は、運営者が手間暇をかけ史料を収集し、入館者に分かりやすいように展示しており、所によっては歴史を体感できる「宝庫」となっている。

 小欄も各地を訪れた際には、できるだけ博物館を見学しているが、主要な博物館だけでも数が多く回りきれていない。

 その中で限られた範囲であるが、実際に見学して小欄なりにお勧めできる博物館は下記の通りであり、その一部は本欄で訪問記(*マーク)を記しており、リンク(赤字)を示してあるのでご覧いただければ幸いである。

[A]時代テーマ別展示
【旧石器時代】
国立科学博物館[日本館――日本人と自然](東京都台東区)
=日本人の誕生経緯が科学的に説明されており必見
史跡田名向原(たなむかいはら)遺跡旧石器時代学習館(旧石器ハテナ館)(神奈川県相模原市)
旧石器ハテナ館が面白い 
相澤忠洋記念館(群馬県桐生市)
=「岩宿遺跡」の発見者を顕彰する個人運営の博物館。興味・関心がある方向け
旧石器時代「岩宿遺跡」発見の人間模様 
【縄文時代】
新潟県立歴史博物館(長岡市)
=縄文人の四季の様子を再現したジオラマは必見
『日本という物語』をどう伝えるか 
茅野市尖石(とがりいし)縄文考古館(長野県)
=縄文のビーナスと仮面の女神の2体の国宝土偶や特別史跡「尖石遺跡」の史料を展示
井戸尻(いどじり)考古館(長野県富士見町)
=出土した土器や土偶などの文様解読から当時の宗教観念を紹介(学芸員の説明あり)
【古墳時代】
千曲市森将軍塚古墳館(長野県)
=科野(しなの)の里歴史公園の中にあり、長野県立歴史館も隣接している。古墳ファンは必見
古墳時代の史跡・森将軍塚古墳が面白い 
埼玉県立さきたま史跡の博物館(行田市)
=稲荷山古墳出土鉄剣(国宝)や古墳群はファン必見
【飛鳥・奈良時代】
興福寺国宝館(奈良県)
=寺院で国宝の指定件数ベスト3は、法隆寺、東大寺、興福寺。興福寺国宝館の仏像群は圧巻
【平安時代】
島根県立古代出雲歴史博物館(出雲市)
=伝説とされていた高さ48mの巨大神殿が発掘調査の結果裏付けられ、その1/10模型が展示
【鎌倉~室町時代】
ふくやま草戸千軒ミュージアム(広島県立歴史博物館)(福山市)
=伝説とされていた「幻の町・草戸千軒」が発掘調査で実在と分かり実物大で復元展示
歴史博物館は、歴史の面白さを伝えられるか 
【江戸時代】
江戸東京博物館(東京都墨田区)
=江戸にタイムスリップした感覚を味わえる
【維新期】
鹿児島市維新ふるさと館(鹿児島県)
=幕末の薩摩の様子と維新を担った英雄のエピソードが満載。維新体感ホールのドラマは秀
【先の大戦期】
靖国神社遊就館(東京都千代田区)
=日清・日露戦争や先の大戦までの戦争関連資料を展示。当時の国際情勢の理解が深まる
知覧特攻平和会館(鹿児島県南九州市)
=沖縄戦の劣勢を挽回すべく取り入れられた特攻作戦。遺書や関連資料から平和と命の尊さが実感できる
平和祈念展示資料館(東京都新宿区)
=先の大戦における兵士、戦後強制抑留者や海外からの引揚者の労苦を展示。総務省が所管
「生き抜く覚悟」と「平和の尊さ」を学べる平和祈念展示資料館 

[B]通史展示
大阪歴史博物館(大阪府大阪市)
=古代から近現代に至る大阪の歴史を外国人にも分かりやすいように展示している市立博物館
「日本好き外国人」を急増させる絶好のチャンス!(下)――2025年の大阪万博は!? 
福島県文化財センター白河館(愛称:まほろん)
=旧石器時代から現代に至る食卓の変遷を再現し、また屋外では、当時の家屋の再現など興味を引かせる。小中学生の見学に最適
白河館まほろんが面白い 

この総覧の掲載方針


 さて、全国には歴史系博物館が果たしていくつあるのだろうか? 本稿では、以下の方針に則り館名、住所、ホームページを掲載する。

(1)日本人が誕生した旧石器時代を知る上で、地学系の博物館も加えた。
(2)偉人のみならず、その時代に影響を与えた文学者も重要なので、文学館も加えた。
(3)モノや技術も重要なので、企業博物館なども加えた。
(4)上記の(1)から(3)を含め、本稿では歴史系博物館と称する。
(5)ホームページ(HP)が見当たらない施設は割愛した。なお、HPは掲載時のものである。
(6)掲載順は、北の北海道から南の沖縄までとして、各都道府県の域内は、原則、郵便番号の順番とした。
(7)この掲載は、毎月、下旬から月末にかけて都道府県単位で5~6本程度アップする予定であり、来年2019年5~6月頃には、全国を網羅できる予定。
(8)歴史系博物館の基礎データとして活用いただければ幸いである。本稿をこのまま転載する場合は、出典:【全国の歴史系博物館】地域別総覧(作成=育鵬社編集部)と表記ください。
(9)掲載情報に不備がある場合は、info@ikuhosha.co.jp にご連絡ください。情報更新の際に訂正してまいります。
 
 小欄も経験があるのだが、ある博物館を訪ねた時に、少し足をのばせば貴重な博物館があったにもかかわらず、見過ごしてしまった経験がある。そのような時に、このリストがお役に立てば幸いである。

 この歴史系博物館は、全国で2000施設ほどあると予想される。それでは次項、北海道から順次、紹介していく【①-2に続く】文責=育鵬社編集部M





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