ブラック化する非正規・公務員の実態――2年半で67回雇い主変更、自治体の「社保外し」の手法

 世にブラック企業が蔓延するなか、「安定・安心」と思われていた公務員の職場もブラック化が進行しているという。現場で働く人々を直撃、その非人間的な労働環境の実態をリポートした!

ブラック化する非正規・公務員の実態――2年半で67回雇い主変更、自治体の「社保外し」の手法

2年半で67回雇い主変更!自治体の「社保外し」の手法


 非正規の事務職員として働いていた長崎県のAさん(40代女性)の働かされ方は劣悪だった。’06年8月~’12年2月までの約6年半の間、同じ職場で同じ仕事をしていたのに、社会保険に加入していなかったのだ。その理由は、長崎県(新幹線・総合交通対策課)と県の外郭団体の2つが、2か月たつと雇い止めにして、すぐにもう一つが新たに任用して、また2か月たつと雇い止めにするということを繰り返していたためだ。2年半の間に、67回雇用主が変えられていた。

勤務記録

Aさんの勤務記録。雇い主が被告(県)と外郭団体などを2か月ごとに行ったり来たりしていることがわかる

 地方自治総合研究所の上林陽治研究員は「長崎県は『臨時職員取扱要綱』のなかで、臨時職員は労働期間が2か月にまたがる場合でも勤務日数は25日以内と定めています。正職員の4分の3以上の勤務時間を働けば、雇用主は労働者を社会保険に加入させなければなりません。でも2か月で25日以内なら4分の3未満となり、その義務から免れます」と解説する。

 Aさんは「社会保険逃れが目的だ」として、’14年5月、6年半にかかる年金相当額と退職手当に相当する約420万円の損害賠償などを求めた訴訟を長崎地裁に起こした。今年3月29日、判決ではこの訴えは認められなかった。ただし「県は地方公務員法の臨時職員制度の趣旨に反する取り扱いをし、労務管理をする県職員は部分的に職業安定法や労働者派遣法に反する取り扱いをした」として、精神的苦痛を受けた女性の訴えを一部認め慰謝料40万円の支払いを命じた。だが県や外郭団体の行為は臨時職員取扱要綱に従った「適法」行為だ。

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