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“神様扱い”しすぎな日本のサービス産業

デフレの波に揉まれ、低賃金・過剰労働・サービス過多が蔓延る外食産業。そこは、労働環境はむろん、従業員も客もド底辺という凄まじい魔境になっていた。これまでSPA!では、その驚きの惨状をお伝えしてきたが、そもそも“モンスター客”と呼ばれる人たちは何故増えているのだろうか? ◆“神様扱い”しすぎな日本のサービス産業
鴻上尚史氏

鴻上尚史氏

 モンスター客が量産されるのは日本特有のことである、とド底辺飲食の実態に詳しいブラック企業アナリストの新田龍氏と、海外事情に詳しい鴻上尚史氏は語る。 「『喜んでー!』『いらっしゃいませこんにちは!』といった丁寧な言葉がサービスだと思ってやってるでしょう? でも、そんな心のこもっていないマニュアル言葉を叫ばれるのはサービスでも何でもない。そんなマニュアル敬語を使われても嬉しくないですし、そこから先のコミュニケーションを遮断していることでもある。従業員のストレスにもなりますしね。海外ではそういった決まり文句はないですし、激安店は店側もそれ相応の対応をしてきます」(鴻上氏) 「『お客様は神様です』の風潮が広がりすぎて、客が権利を過剰に主張しているんですよ。激安居酒屋にサービスを求めるのはフェアじゃない。だって激安の人件費で雇われてるんだから。きちんとしたサービスにはそれに見合ったお金を払い、安いところにはサービスを期待しない、という風潮をつくるべきです」(新田氏)  時給800円で他人を“神様扱い”するのは無理があるのだ。 ⇒なぜ飲食店は「ブラック」化するのか?
https://nikkan-spa.jp/268220
【鴻上尚史氏】 劇作家・演出家。イギリスなどの海外公演も精力的に行う。『八月の犬は二度吠える』(講談社)ほか著書多数 【新田 龍氏】 奈良県生まれ。『人生を無駄にしない会社の選び方』(日本実業出版社)など著書を多数出版するかたわら、全国で講演活動を行う 取材・文/朝井麻由美 ― ド底辺飲食店、本日もブラック営業中【7】 ―
八月の犬は二度吠える

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