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猿まわし師の村崎太郎氏が語る、差別の“今”

村崎太郎,猿まわし,差別 被差別部落出身であることをカミングアウトしたのち、年間に50回ほども人権講演で全国を回る多忙な日々を送る猿まわし師、村崎太郎氏。「差別されても、猿まわしは続けたい」と強く語る彼に、部落差別の“今”を聞いた。 「僕が人権活動に関わってきたなかで、同和問題に対する意見は大きく2つに分かれると思っています。『教えるから差別がなくならない』という意見と、『きちんと教えていないから差別がなくならない』という意見。大抵の人は自分に差別心はなく、人は機会を均等に与えられ、民主主義のこの国では血脈も氏素性も関係ないと、皆さんもそう思っているでしょう。でも、いまだに差別をする人たちは、僕の実家のそばにも、この東京にもたくさんいるんです」  では、どうすれば差別は解消されていく、と村崎氏は考えているのだろうか? 「部落差別の根本は、いわれのない偏見です。歴史的な背景や過去の差別発言、現状をきちんと知っていくべきですね。なぜ『知るから差別がなくならない』という考え方が出てくるのかといえば、理由のひとつは『面倒くさいから』でしょう。つまり、こじれてしまったこの問題を『もうなくなった』と思い込みたい人が多いのでは。現に、かつて部落解放活動家だった父が所属していた団体は『部落差別はなくなった』と言い切っています。でも同和人口は現在300万人ほどいて、なかにはいわれなき差別に今も傷ついている人がいる。同和問題を教えないということは、傷ついた人たちから目を逸らすことではないかな」  講演では自身の少年時代の話から始め、子供の頃から受けてきた差別やカミングアウトするまでの道のり、未解消な差別の現状などを話す、という村崎氏。彼の語る通り、目を逸らしてはいけない問題だ。 ※週刊SPA!12月4日発売号の「エッジな人々」では、より深く村崎氏に差別問題の今を語っていただいている。 本誌構成/清水祐子 撮影/菊竹 規 再構成/SPA!編集部
週刊SPA!12/11号(12/4発売)

表紙の人/南明奈

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