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コロナと疑われてマンション住人から執拗な嫌がらせ「感染より人間が怖い」

 コロナ禍で多くの人がまだ自粛生活を送るなか、謎の正義感や危機意識で感染拡大リスクを高めている「コロナ偏差値が低い」人たちがいる。時に迷惑にもなる、彼らの謎行動をリポートする。
コロナ偏差値が低い人々

誰が貼ったかわからずじまいの貼り紙。「今の時期に家探し~引っ越しをするのも気が引けて、身動きが取れない状態です」(田岡さん)

差別、偏見を生む低偏差値コミュニティ

 コロナに対する恐怖が暴走し、医療従事者や感染者に近しい人への差別や偏見が社会問題化しているが、これもコロナ偏差値の低さによって発生する弊害にほかならない。 「コロナのせいで引っ越しを余儀なくされた」と語るのは、会社員の田岡康夫さん(仮名・39歳)だ。 「3月末、勤務先でコロナ感染者が出て、100%在宅ワークに切り替わりました。外出を控えながら生活していたのですが、ある日マンションの管理人に『田岡さん一家にはエレベーターは使わないでほしいという声が住民から上がってます』と言われまして。  どうやら妻がママ友に『夫の会社で感染者が出て在宅ワークになった』と話した内容がねじ曲がり、『何号室の旦那さんがコロナに感染した』とマンションで噂になっていたみたいなんです」  管理人からの通告だけでなく、4月末には玄関に「コロナ出テイケ」の貼り紙が。親から聞いたのか、子供たちが田岡さん宅のベランダに「コロナ菌うつすな!」と叫びながら石を投げる姿も目撃した。 「管理人を通じて『私が感染者だという噂はデマだ』とエレベーター前の共用スペースに貼り出してもらったのですが、他の住人は今もよそよそしいまま。賃貸だったのが幸いで、そんな人たちと再びにこやかに近所付き合いなんてできない。感染は怖いですが、人間のほうがよほどおぞましいですよ」

コロナ自警団が怖い

 一方、北関東某県に住む大江剛さん(仮名・43歳)は、近所を跋扈し始めたという「コロナ自警団の存在が怖い」と話す。 「地元生まれ・地元育ち。いわゆるマイルドヤンキー系の人たちが、『俺たちの地元を守る』と息巻いているんです。その心意気には賛同しますが、パチンコ店に停まった他県ナンバーの車に傷をつけたり、マスクをつけていない人の写真を勝手に撮ってSNSに晒したり、営業自粛しない飲食店に無言電話をかけ続けたりと、やってることは犯罪やそれまがいの迷惑行為。  知人は緊急事態宣言下に飲食店を営業したと難癖をつけられ、顔を晒されていました。『大好きな地元にコロナを持ち込ませない』と正義感に溢れているから余計タチが悪いんですよ」  彼らに難癖をつけられるのが怖くて「買い物に行くのも気が重い」という大江さん。感染を拡大させる行動は慎むべきだが、それが制裁を加えていい理由にはならない。不安に駆られる気持ちはわかるが、人として正しい行動を心がけてほしいものだ。
コロナ偏差値が低い人々

イラスト/ポテチ光秀

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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