更新日:2014年03月02日 09:05
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「もう秘境ですよ!」杉作J太郎氏の“レトロ自販機”探訪

自販機大国ニッポンでは街中のみならず、山奥の僻地でもそれに出合うことができる。マニアに再評価されるレトロ系自販機から注目の災害対策型やタッチパネル式の最先端自販機まで「深遠なる自販機の世界」へようこそ! ◆杉作J太郎氏と行く! 北関東「自販機」偏愛紀行【後編】
杉作J太郎氏

杉作J太郎氏

「クルマの運転が好きで、無人でお湯を入れられる自販機のカップラーメンを食べるのが好き」という杉作J太郎氏とともに、いざ、自販機の宝庫、北関東のオートパーラーを巡る旅へ! ⇒【前回】1軒目、2軒目
https://nikkan-spa.jp/573636
●3軒目:ドライブイン七輿  ドライブイン七輿ではこの旅の行程を考えてくれたnom氏推薦のチャーシューメンが売り切れだったので、そばを試したが……。「麺もほぐれてないし、かき揚げも揚がりきってない感じ」とやや残念な出来。しかし、出来上がりの「チンッ」という間の抜けた音と、汁を勢いよく外に飛び散らせながら容器を押し出してくる動きには感心した様子。 「洗練された今の社会では採用できないギミックですし、『中に人間がいるんじゃないか!?』という動きです。この動きには、『昭和生まれの君たちが夢見た科学は、原子力とかじゃなくコレだろ!』というメッセージを感じます!」 <ドライブイン七輿(群馬県藤岡市)>
ドライブイン七輿

人気のチャーシューメンは食べられず!

ハンバーガー(200円)、トースト(200円)、そば・うどん(300円)に加え、チャーシューメン(350円)を売る自販機もある。「自販機と定食屋が合わさった店。定食屋とほぼ同じ味のラーメンが自販機で食べられます」(変わり種自販機紹介サイト「山田屋」管理人のnom氏)。杉作氏のイチオシは「ホッとする素朴な味」というベーコンポテチバーガー ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=585179 ●4軒目:丸美屋  最後は「もう秘境ですよ!」と杉作氏も興奮するほどの山奥の、本当に自販機しかないプレハブ小屋。うどん・そばの自販機には「大当たりにエビ」との張り紙。食べ終えた容器の重なり具合を見ても、うどん、そば半日で50杯ほど売れている様子だ。 「これは期待できますよ!」と意気込む杉作氏の前に現れたうどんは……見事にエビ天入り! 「味も今までで一番! 家にこれ一台あれば生活できます!」と味にも大満足だった。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=585180  続けてそばを試食するも「同じものを食べすぎて、味がわからなくなってきましたよ!」と限界が見え始めたところで、旅程は終了、帰路に。 <丸美屋自販機コーナー(群馬県みどり市)>
丸美屋自販機コーナー

旅情溢れる空間が魅力

「本当に自販機だけのプレハブ小屋で山奥というロケーションも抜群」(nom氏)、「うどん・そばは味もいいし、天ぷらは季節の食材を使っていることも」(レトロ系自販機を紹介するサイト「懐かし自販機」管理人のUSK氏)と両氏も絶賛の店。そば・うどん(250円)だけでなく、ツナトースト(200円)も美味。近くには犬小屋もあり、杉作氏は犬とたわむれていた ● 北関東「自販機」偏愛紀行の総括  最後の店は杉作氏も相当に気に入った様子で、「この山奥のロケーションも、『我もまた時の旅人』という感じでいいじゃないですか。建物は古くても清潔だし、誰もいないのに、お・も・て・な・しを感じます。本当の旅情がココにはありますよ!」と称賛。そして自旅の総括に入った。 「早朝や深夜に一人で来たら、人生を考えるでしょうね。店員がいればこちらも気を使いますが、機械の前なら飾らない自分でいられるし、自分と向き合える。『なぜ今、自分はココにいるのか?』と考えさせられるのが、自販機の旅の本質のはず。自販機は、我々の淋しさを倍増させてくれるんです。淋しさの倍返しですよ!」  だがその淋しさは悪いものではなく、「人間の心をクリアにし、優しい気持ちにさせるもの」だという。 「淋しさは人と一緒にいれば忘れられますが、やはり拒絶せずに向き合うべきです。自販機と向き合うと、『ココには自分一人だけ』という銀河鉄道に乗っているような気分になれるはず。いまの生活や将来に迷っている人は、ぜひ自販機巡りに出るべきですよ!」 ◆もっと知りたいならココへGO!「わくわく自販機ミュージアム」 「自販機に親しんでほしい」という思いから’12年、群馬県前橋市に日本自動販売機工業会がつくった日本初の自販機博物館。 “てこの原理”を用いた世界最古の聖水自販機レプリカから、レアな噴水型自販機、災害対策用自家発電装置付きの最新自販機まで、自販機の歴史をたどることができる。実際に触れられるものもあり、大人でも楽しめる。入場は無料、事前申込制。
わくわく自販機ミュージアム

災害時の自家発電装置の使い方などもガイドしてくれる

【nom氏】 高校時代にグーテンバーガーを探す旅をして以来の自販機マニアで、メディアにも自販機研究家として登場。『ノッポさんと行く昭和のスキマ探訪』では自販機編を監修。サイト「山田屋」 http://www3.famille.ne.jp/~nom/ 【USK氏】 懐かし系自販機を訪問し、サイト「懐かし自販機」http://jihanki.michikusa.jp/ にて詳細を掲載。’07年に偶然ハンバーガー自販機を発見、その虜に。世界中を旅するギタリストで、本業はマルチクリエイター ― [自販機]偏愛(ラブ)紀行をしてみた【7】 ―
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