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個性溢れる全国「ドライブイン」ベスト5。レトロな魅力にマニア垂涎

 観光客で混雑する人気の街で疲れ果てるより、閑散とした地でのんびり旅ができるとしたら……? 偏愛マニアが“独断”で決めた「好きな街」へ繰り出し“新たな扉”を開けてみてはいかが?

個性溢れまくる運転手の心のオアシス

マニアが選ぶ[好きな街]ランキング

切り立った崖の下に立つ、長屋風の茂木ドライブイン。もはや店が観光地のようになっていて、店を目当てに訪れる客も

 郊外の幹線道路沿いにあるドライブインも、時が止まったかのような“レトロ感を楽しめるスポット”として人気急上昇中だ。マニアの越野弘之氏は、日本全国のドライブインを何周も回り続けている。 「日に焼けたビールの水着ギャルのポスターや、懐かしいキャラクターの雑貨など店に残る“昭和っぽさ”を見ているだけでも楽しい。さらに無造作に置かれた謎のサインボールの隣に、アンモナイトのデカい化石があったり。レトロ感に加えて店によってまるで違う“自由さ”が癖になります」
マニアが選ぶ[好きな街]ランキング

選者/越野弘之氏

 ドライブインのトーストやハンバーガー、うどんなど“御三家”と呼ばれるレトロ自販機も人気だが、店独自の料理も要チェックだ。 「群馬県下仁田町の茂木ドライブインは、200円で自家製のみそとこんにゃくが食べ放題。しかもこんにゃく芋は女将の手作りです。ほかにも、埼玉の本庄市の不二ドライブインは、1年間毎日セットメニューが替わるランチが有名。地元民にも人気があります」  ちなみに本庄市内にはガリガリくんで有名な赤城乳業の“業界最大級”の工場も。工場見学後のアイス食べ放題も地域の魅力だ。 「ドライブインの周りには、郊外によくある大型ショッピングモールが少なく、静かな街が多い。店や人が少なく大手が進出しない絶妙な土地だからこそ、もはやドライブインは街そのもの。ドライバーのオアシスになるのです」
マニアが選ぶ[好きな街]ランキング

店内には町内会の催しものの槍など記念品が飾ってある千葉県の永田ドライブイン。分厚い刺し身とアットホームな雰囲気が人気

ドライブインマニアの好きな街ベスト5

1)群馬県・下仁田町 「自家製こんにゃくがうまい」と越野氏絶賛の茂木ドライブイン。自然豊かな場所柄ツーリング客も多く立ち寄る。峠の茶屋のように立ち寄った客がほっと一息つける店。 2)埼玉県・本庄市 不二ドライブインは、現存する日本最古のドライブイン。市内には全国的に有名なアイスの工場も。日替わりランチも有名で、地元の人々から愛され続けている。 3)岡山県・岡山市 ドライブイン・アローズは、長距離ドライバーの腹を満たしてくれる定食が人気。「路面電車や城など古き良き文化が残る岡山市を訪れたら必ず寄るファンも多い」 4)千葉県・茂原市 昔に比べて交通量が減った旧・国道128号沿いにある永田ドライブイン。JR外房線の永田駅から徒歩6分という好アクセス。地元の人々の交流の場にもなっている。 5)福島県・二本松市 24時間営業の二本松バイパスドライブインがあり、「周辺の街も騒がしくなく、あか抜けていない感じがいい。ドライブイン文化が発展する絶妙なバランス」と越野氏。 【選者/越野弘之氏】 古き良き文化を愛す、ミュージシャン兼YouTuber。著書に『懐かしの昭和ドライブイン』(グラフィック社)などがある ※ランキングの「地名」は、主に「駅名」もしくは「市町村」を記載。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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