そもそも「覚醒剤」とはなんなのか? 意外と知らないその歴史
元プロ野球選手・清原和博被告(48)が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕から2カ月。覚醒剤=怖いという認識を持つ人は多いが、その実、覚醒剤とはなんなのかを詳しく知る人はそうそういない。
覚醒剤と日本人には、長くて古い歴史がある。1893年に薬学者である長井長義によって、漢方薬の麻黄からエフェドリンが単離抽出されたことが覚醒剤のそもそもの始まりだ。このエフェドリンから合成されたものがメタンフェタミン、すなわち覚醒剤である。
第2次大戦中は各国が兵士の戦意昂揚のために使用。日本でも神風特攻隊の隊員が使用していたことは有名だ。
覚醒剤はヒロポンとも呼ばれるが、このヒロポンとは大日本製薬(当時)によるメタンフェタミンの商品名である。戦後、軍部が持っていたヒロポンが大量に市中に出回り、寝ずに仕事ができる、受験勉強が捗るなどの風聞とともに一気に日本中へと広まり、ポン中(ヒロポン中毒=覚醒剤中毒)が社会問題となったのである。一時は合法だった覚醒剤だが、’51年に覚せい剤取締法が施行され全面的に使用が禁止された。現在は医療用であっても処方し、治療に使用する場合は都道府県知事への事前の届け出義務がある。
こうした過去の社会問題が背景にあるため、覚せい剤取締法はほかの薬物の取締法よりも厳しい罰則規定が設けられているのも特徴のひとつである。
― [シャブ中の高齢化]が止まらない! ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ