2018F1開幕3戦終了! 中団グループは0.5秒に5チーム10台がひしめく大混戦!
F1が開幕してすでに3戦終了。昨年限りでマクラーレンと離縁したホンダF1は、レッドブルの弟分チーム、トロロッソと再婚して新たなスタートを切った。
開幕戦オーストラリアGPでは予選でコケて下位に沈んだが、一転、第2戦バーレーンGPでは大躍進の4位入賞! しかし第3戦中国GPでは失速。浮き沈みの激しい序盤戦。開幕3戦で見えてきた我らがトロロッソ・ホンダの実力は?
毎年、国際線100フライト、ホテル150泊を10年続ける全戦取材F1ジャーナリストの米家峰起氏に聞いた。
担当A:トロロッソ・ホンダ、速いのか遅いのかよくわかりません(笑)。
米家:結論から言うと、思ったより速い。開幕前2回のテスト結果を分析すると、トロロッソは下から3番目くらいの位置だった。マクラーレンには負けるだろと思ってましたが、フォースインディアやマクラーレンと戦える位置にはいる。中団トップハースやルノーとの差もそんなに大きくはない。バーレーンのようにセットアップが決まり、マシンがコース特性に合ったときには、いきなり中団トップに浮上する。それでも中団グループが僅差にひしめいているから、タイム的には1周0.3秒くらいのパフォーマンス向上なんですが。中団グループは団子状態なので、サーキットによってどんどん位置関係が入れ替わる面白いシーズンですよ。
担当A:まず車体はどうですか。
米家:意外と悪くはない。特に足回りがいい。まだまだ空力的にはイケてないですけど。他チームの人がトロロッソの車体を見て「これじゃダメだよ、遅れてるよ」っていうくらいですから。勝負はこれからの開発ぺース。周りも速くなりますから、開発ペースが遅いと相対的な順位は下がってしまう。例年のトロロッソでいえば開発のペースが遅い。チームにお金がないからしょうがないですが。今年はさらにレッドブルからの資金も縮小されたようですし、ホンダが手をかえ品をかえて支援してあげられるかじゃないですか。
担当A:昨年まで年間100億円ともいわれるホンダ資金をマクラーレンに貢いできたんですから、その予算をドーンとトロロッソに投入すればいいのに。
米家:ワークスチームだというのなら、それくらいやったっていいのにね。ただ、会社のお金ってそういうもんじゃないらしいですから(笑)。でも開幕戦には社長の八郷(隆弘社長)さんだけじゃなく、反対派と言われていた副社長の倉石(誠司)さんも来ていた。現場に来てくれるということは、変わってきてるということじゃないですか。八郷さんはF1に積極的でないと世間では勘違いされているようですが、むしろ役員会では八郷さんだけが積極的にF1に賛成してくれていた。よくここまでもたせてくれましたよ。
担当A:昨年、マクラーレンとの決別話のなかで、ホンダ社内では一時「F1から撤退もやむなし」という流れになったと聞いてます。
米家:F1を続けられたのは八郷さんのおかげですよ。
担当A:ホンダF1の体制もガラリと変わりました。現場トップに田辺豊治テクニカルディレクター。開発トップには浅木泰昭執行役員。