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ランボ、ロールス、アストンも。世界の超高級ブランドがSUVを続々と発売する理由

 港区界隈でもポルシェ・カイエン以外は滅多に見かけることがない超高級SUVとは、スーパーカーやラグジュアリーカーブランドが作っているSUVでございます。当欄では再三、ハイブリッドカー、軽自動車、ミニバンが道路を埋め尽くしているのは日本だけということをお伝えしておりますが、今回はSUVシフトする世界の超高級ブランドについて、まとめてみました! 世界のSUV事情 MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi

ランボルギーニも参戦! フェラーリはいつ?

 ニッポンは神秘の国。それは売れ筋の自動車に関しても同様で、日本でしか売られていない軽自動車やミニバンが、全販売台数の約3分の2を占めています。  そんな神秘のガラパゴスに住んでいると、それがアタリマエに思えてしまいますが、広い海の向こうには、日本とはまったく違うオラオラな世界があります。  それは、SUVバカ売れの弱肉強食の世界です。  当欄では今、世界的なSUVブームであると繰り返し申しておりますが、日本ではそうでもない。なにせ軽とミニバンで3分の2なので。  輸入車の販売も好調ですが、日本で輸入車を買う人は、それなりのクルマ好き(=保守的)なので、意外とセダンやハッチバックなどの古典的なボディタイプが好まれており、ここでもSUVバカ売れ感はあまり高くないのであります。  が、海外は違います。  たとえばランボルギーニは、昨年12月にウルスなるランボ初のSUVを発表したのですが、現時点で1万台近い受注があったとのウワサ。ランボの年間生産台数は約3500台なので、その3倍じゃん!
世界のSUV事情

【ランボルギーニ・ウルス】ウルスは年内発売予定。価格は2574万円(税別)。最高速度は時速305km。ちなみにランボのSUVといえば、かつてカウンタックのエンジンを搭載した「LM002」というモデルがありました

 実際ランボルギーニは、ウルスの発売に合わせて本社工場を大増設。現在の2倍、年間7000台の生産能力を持たせるべく設備投資しておるのでした。SUVブーム恐るべし。  日本でランボルギーニと言えば、いまだにカウンタックのイメージが強く、「ランボはドアが上に開かなきゃ」ということで、最もスーパーカーらしいカタチのアヴェンタドールが一番人気。ウルスも人気だけど、カネ持ちがついでに買う感じで、主役ではありません。  16年前、カイエンで真っ先に超高級SUV市場を切り開いたポルシェは、今やSUVが世界販売の7割を占めていますが、日本ではまだ5割です。さすがガラパゴス。
世界のSUV事情

【ポルシェ・カイエン】超高級SUVのなかではもっとも見慣れた感じがするカイエン。価格もこのなかではもっとも安い976万円~だが、最上級グレードのカイエンターボは1855万円と倍違う

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あのロールスロイスまでもが、SUVを発表!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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