明徳義塾vs境、ランダウンプレーでの審判の“不可解な判定”【第98回甲子園・高校野球】
第98回全国高校野球選手権大会7日目の13日、2回戦の明徳義塾(高知)と境(鳥取)の対戦では、中盤に小刻みに得点を重ねた明徳義塾が境を突き放して快勝。昨夏は初戦で姿を消した明徳義塾が2年ぶりに夏の初戦を突破した。
しかし、八回裏に明徳義塾の三塁走者・西村舜外野手が、ランダウンプレーの末に生還し、セーフの判定を受けた場面には審判に対する疑問の声が広がっている。中継映像を見ていた視聴者の目には“アウト”だと映っていたからだ。
場面は1死二、三塁から代打・寺西の遊ゴロで三塁走者が飛び出し、三本間に挟まれた。その間に二塁走者・西浦が三塁ベースへ到達。捕手からボールを受け取った三塁手・渡辺がまず二塁走者にタッチし、そのあと三塁走者にタッチした。
2人の走者が同じ塁上にいる状況でともにタッチされた場合、三塁走者に優先権が発生し、二塁走者がアウトになる。三塁塁審は二塁走者にアウトを宣告したが、三塁走者の西村は自分がアウトになったと勘違いし、ゆっくりとホームへ向かった。中継では、ベースを離れた三塁走者がタッチされているのがわかる。
しかし、三塁走者の西村はそのままホームイン。これが明徳義塾にとって、7点目のダメ押し点へとつながった。境は5失策と守備の乱れが響き、明徳義塾が一枚上手だったことは否めないが、この“不可解な判定”のあとの九回オモテに三者凡退で試合終了となってしまったことには、もやもやした気持ちが拭えない。
8回に2点を奪った明徳義塾はこの勝利で夏の甲子園通算30勝。2002年夏以来の優勝を目指す。境も3回に9番・浜が左翼へ同点の2ランを放ち試合を振りだしに戻すなど善戦したが、1990年の夏以来の白星はならなかった。
明徳義塾(高知)と境(鳥取)の一戦は、ともに予選参加校が高知29校、鳥取25校と最も少ない地域同士の対戦だった一方で、甲子園常連校などが県外から選手をスカウトなどして集める「野球留学生」は県立の境が0人、明徳義塾がベンチ入り全員の18人と興味深いカードだった。 <取材・文/北村篤裕>
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