ビル解体作業員の“ヘンな職業病”…さまざまな職業を転々としてきた作家が語る体験談
ノンフィクション作家となった現在の、“変な職業病”は何か。
「すべての作家がそうだとはいいませんが、誰も注目しないようなニッチなネタにしか興味が持てない点。で、結果的にお金にならない。それで今、追いかけているのは『ライター・イン・レジデンス』という制度についてなんですが、これは地方滞在型の作家支援制度。舞台芸術やアートの世界では、国の助成金をもらって一人前という感覚があるそうで」
その傍らでまた、新たな仕事にも目覚めそうだという。
「数年前、北海道に取材で長期滞在したとき、偶然アイヌの集落と出合ったんです。翌年、北海道の追加取材がてらブロッコリーの収穫作業のバイトに行ったら、またそこで北海道ならではの農作機械の面白さを見つけて……。退屈していると、関心の向くことに出合うはめになる。まあ、いずれも商業的には売れないのは間違いないですけどね(笑)」
次はブロッコリーのフラッシュバックを見るのかもしれない。
【檀原照和氏】
’70年、東京都生まれ。ノンフィクション作家。土地にまつわる習俗をテーマに執筆中。主な著作に『黄金町クロニクル』(スタジオ天神橋)、『消えた横浜娼婦たち』(データハウス)
― 私の[ヘンな職業病] ―
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