更新日:2022年10月29日 01:06
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アニソンメタルに流れるLAZYの血脈――影山ヒロノブ、LOUDNESS、ランティス【山野車輪】

アニソンメタルの代表格『聖闘士星矢』『ドラゴンボールZ』のOPテーマ

 LOUDNESSは、1985年夏に公開された劇場用アニメ『オーディーン 光子帆船スターライト』の主題歌を任され、また、1989年リリースのOVA『湘南爆走族5 青ざめた暁』にも、楽曲提供している。  そしてLOUDNESSの後輩であるMAKE-UP(このバンド名は、高崎と樋口が高校時代在籍していたバンド名を受け継いだもの)もアニソンを唄った。TVアニメ『聖闘士星矢』のオープニングテーマ「ペガサス幻想」は、アニソンメタルの代表格として認知されている。

『聖闘士星矢 主題歌&BEST』(2003年)

 『聖闘士星矢』第74話以降の主題歌を任されたのが、LAZY解散後、ソロ活動の道を歩んでいた影山だった。影山にとってはこれがアニソン初体験ではなく、1984年に「KAGE」名義で『超時空騎団サザンクロス』の劇中歌「STAR DUST MEMORY」を唄っている。影山は『聖闘士星矢』の次のシングル、『ドラゴンボールZ』のOPテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」をきっかけに、アニソン界のトップに上り詰め、アニソン歌手として不動の地位を築き上げた。

『ドラゴンボールZ ベスト ソング コレクション』(1996年)

 『マジンガーZ』『鋼鉄ジーグ』をはじめとする永井豪が原作に携わったTVアニメや、『聖闘士星矢』『ドラゴンボールZ』などのジャンプアニメは、海外の“OTAKU”からの評価が高い。  1988年、『聖闘士星矢』の大ヒットを受けて、TVアニメ『超音戦士ボーグマン』が放送された。こちらも、MAKE-UPと同じメロディアス・ハードロックに分類されるバンドのEarthshakerが担当。西田昌史<vo>加入前の同バンドのヴォーカルは、LOUDNESSの二井原実だった。実に濃い関係である。  『ボーグマン』の3クール目以降の主題歌には、「HIPS」というユニットが起用されているが、これはEarthshakerの西田と、SHOW-YAの寺田恵子<vo>による2人組ユニットである。Earthshakerにはこの頃、永川敏郎<key>が在籍していた。永川はNOVELAのメンバーだった経歴があり、TVアニメ『愛してナイト』に出てくるロックバンド「ビーハイヴ」メンバーの大川里美<key>のモデルでもある。  西田は後に、ビーイングのプロデューサー業も兼任。90年代、アニメ作品とのタイアップが多かったビーイング系にも関わっていたことから、アニソンとヘヴィメタルの関わりに一役買うことになる。

アニソンメタルに今も流れるLAZYの血脈

 ジャパメタ黎明期の80年代に、NOVELA、元LAZYメンバー(ネバーランド、LOUDNESS、影山)、MAKE-UP、Earthshakerなど多くの関西出身ヘヴィメタル・バンドがアニソンを経験し、ここに、アニメとジャパメタの基礎が構築された。  そしてこの関西へヴィメタル・シーンから、“アニソン界のプリンス”と称される影山を輩出した。またLAZYやネバーランドで活動した井上は、いくつかのバンド活動を経たのち、音楽プロデュース業を開始し、現在は株式会社ランティスの代表取締役社長および株式会社バンダイナムコライブクリエイティブの代表取締役会長(どちらもオタク向け音楽・映像に携わる会社)として活躍している。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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