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小池都知事、公約と正反対の“情報非公開”ぶり――党代表“禅譲”、築地市場移転、受動喫煙条例も

築地市場移転問題、受動喫煙条例もブラックボックスの中で決定

小池築地

「情報公開の推進」を公約に掲げて都知事選を戦っていた小池知事だが、いざ知事になってみるとその非公開ぶりはこれまでの知事以上

 1年前の都知事選挙で「一度立ち止まって考える」と訴えた築地市場の豊洲移転問題では、7月の都議選の告示直前に両市場活用案を発表したが、記者会見はたった5分。しかも決定過程については「AI(人工知能)が決めた」と煙に巻いて、どんな案から何を判断に決めたといった具体的根拠を示さなかった。 「都議選で都民ファ―ストの会の候補は、豊洲問題について聞かれてもまともに答えられなかった。当時は代表の小池知事が、両市場活用案の実現に至る道筋を詳しく語っていなかったので仕方がありませんが」(都政ウォッチャー)。 「子どもを受動喫煙から守る条例案」採決でも、「ガラス張りの都政」とは言い難かった。7月の都議選圧勝を受けて都民ファーストの会と公明が素案を発表、パブリックコメントを実施したが、結果は非公開。募集期間も10日間と非常に短かった(通常は1か月)。  さらに9月上旬に関係団体からヒアリングをしたが、これも冒頭部分しかメデイアに公開されず、パブコメと同様に内容は非公開だった。こうしてブラックボックスの中で内容が詰められた条例案を9月20日に都民ファーストと公明が提出。10月3日の厚生委員会では「説明不足だ」と継続審議を求める意見を抑え込んだ形で強行採決、2日後の10月5日に本会議で賛成多数で可決・成立している。  この条例も、現場の状況や関係者の声が十分に反映されたとは言えない状態のままゴリ押しされてしまった。今後もさまざまな問題が噴出するだろう。 「情報公開が改革の1丁目1番地」と訴えて支持を集め、都知事選に圧勝したはずの小池知事。知事になったとたん、公約とは正反対の“情報非公開”ぶりを見せつけている。。 【取材・文・撮影/横田一】 ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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