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小池都知事、公約と正反対の“情報非公開”ぶり――党代表“禅譲”、築地市場移転、受動喫煙条例も

“小池シンパ”の密室談議で党人事を決定

小池辞任

希望の党代表辞任を表明、玉木氏を後継指名した小池都知事

「小池(百合子)代表から『玉木さんを推挙します』という一言で、『皆さん、よろしいですか』と決めてしまうのは非常に透明感に欠くやり方ではないか。手続きには違和感、唐突感を覚えました」  こんな疑問を口にしたのは、共同代表選で善戦した大串博志・元民進党政調会長。11月10日投開票の直後は、共同代表に選ばれた玉木雄一郎・元民進党・筆頭副幹事長と握手したが、わずか4日後の小池代表辞任と玉木氏への後継指名のやり方を厳しく批判したのだ。永田町ウォッチャーはこう話す。 「今回の共同代表選は、希望の党惨敗でも『創業者責任がある』と居直った小池代表体制の継続が前提でした。それなのに、4日後に代表辞任をして玉木共同代表を後継指名すると同時に、“小池シンパ”の結党メンバーが要職に就く役員人事(長島昭久・政調会長と細野豪志・憲法調査会会長)が発表された。小池氏と玉木氏が事前に密室談義して、代表の“禅譲”と結党メンバー優遇という役員人事案が交換条件になったのでしょう」

代表を辞任しても小池知事の“院政”は続く

希望の党代表選

共同代表選を終え、玉木氏を中心とする新執行部でスタートした希望の党だが、今後も小池知事の“院政”が続くとみられている

 大串氏はこうも指摘した。 「『異議あり』と唱えることができないような流れでした。両院議員総会は党にとって最高の意思決定機関であり、その中でも代表を決めることは極めて重い決断だと思います。やはり発言権を持つ全国会議員が事前に知らされて、立候補するのかしないのかを十分に考える時間的な余裕を持ったうえで進めるのが組織としては普通ではないかと思う」  もともと11月14日は玉木新執行部の役員人事承認が議題で、小池代表辞任については大半の議員が知らされていなかった。そんな中で同日午後、「小池代表、辞任の意向」というニュースが流れたかと思うと、17時からの両院議員総会に小池代表が急遽駆けつけて辞任表明をすることになった。代表は辞任したものの、直系議員を通した“小池院政”が始まったことは間違いない。  そもそも、希望の党はスタート時点から“情報非公開”ぶりが際立っていた。民進党解体・希望の党合流も、小池代表(当時)と前原誠司民進党代表(当時)の“密室談義”(連合会長も同席)が発端だった。  そして前原氏が民進党前議員に「誰も排除されない」という説明をした翌日(9月29日)に小池氏が「排除します」と断言。憲法改正と安保法制などの“踏み絵”(政策協定書)を踏ませた結果、イメージが急降下して衆院選惨敗となったのは、周知の通りである。  総選挙で惨敗した後、小池氏は「都政に邁進する」と言い始めたが、小池都政においてもその“情報非公開”ぶりを物語る事例はいくつもある。
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築地市場移転問題、受動喫煙条例もブラックボックスの中で決定
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