発禁処分で消えた伝説の雑誌編集長・末井昭が語る「上野でストリーキングをした真相」
’80年代の、発行部数30万部を誇っていた絶頂期に発禁処分を受け、この世から跡形もなく消えた伝説のエロ雑誌『写真時代』。そのド真ん中で荒木経惟らそうそうたるクリエーターたちの“情念”を受け止め、カタチにしていたのが、稀代の名物編集長・末井昭だ。3月17日公開の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、幼い頃に母親が年下の愛人とダイナマイト自殺するという壮絶な生い立ちを持つ末井の、波瀾万丈の生きざまを綴った青春映画である。
――まずは完成した作品をご覧になって、末井さんが好きなシーンは?
末井:僕の役を演じた(柄本)佑くんが赤いペンキを被って上野でストリーキングをしたシーンですね。
――詳細を教えていただけますか。
末井:1970年11月25日の早朝、看板を描くのに使う水性ペンキを頭から被って、松坂屋の前でゴロゴロ転がって路面に体でイラストレーションを描いたんです。守衛にじっと見られていたので駅のほうに引き返し、隠していた服を着てタクシーに乗り込んでカメラマンのアパートに帰りました。奇遇にもその日の昼に三島由紀夫が市ヶ谷で割腹自殺したのでよく覚えてます。映画では通行人の役で僕も出てますけど、過去の自分がしたことを今の自分が見てるという不思議な感覚がありましたね。
――どうしてそんなことをしようと思ったのですか?
末井:その頃、キャバレーでチラシや看板をつくっていたんですが、自分のなかで表現というものにこだわりがあって。当時は横尾忠則さんをはじめ、デザインが花形で憧れだった。でも、自分を表現したくてつくったものが「何だこれ?」と否定され、だんだん鬱憤が溜まっていって。さらに中途採用のモダニズムに染まった野郎が楽々とかっこいいモノをつくって重宝されるのを目の当たりにして、「一世一代の表現だ!」みたいな感じでやったんです。決行の1週間前から計画を練ったけど、すごく精神的に追い詰められて、その間はチンコが勃たなかったですね。やった後はすっきりしましたけど(笑)。
――そこから雑誌の世界へ入っていきますが、どのような経緯で?

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