スカイラインもプレリュードも失敗した四輪操舵。でもメガーヌGTのは気持ちいい理由
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
K:いえ、メガーヌも欲しいですよ。5~6年もすれば、100万円くらいで買えるんじゃないかと思って。ただ今回、永福さんに聞きたかったのは、4WSってもともと国産車の技術だったって話ですよ。
永福:そう。昔は日本車が競って採用してたけど、全部失敗した。
K:なんでです?
永福:デキが悪かったからだろうね。
K:どんなふうにダメだったんですか?
永福:’85年にスカイラインに搭載された世界初の4WS・日産ハイキャスは、効果もよくわかんなかったけど、限界域ではないほうがいいってことで、わざわざ殺す装置が販売されてたよ。
K:ガーン!
永福:印象深かったのはホンダがプレリュードに搭載した機械式4WSで、これはハンドルをいっぱい切ると後輪が逆に切れて、すごい小回りできたんだ。でも路駐から出るとき、後輪が縁石にぶつかるんだよね。結局、1代限りで消えちゃった。
K:じゃ、メガーヌの4コントロールは、なんでいいんですか?
永福:そりゃあ、30年前と比べたら電子制御技術が1億倍くらい進歩して、後輪を自然に動かせるようになったからじゃない。
K:日本が蒔いた種を海外に刈り取られてるみたいで、無念な気がします。三菱GDIもそうですよね?
永福:直噴ガソリン技術は三菱が初めて本格的に商品化したけど、不具合が多発して大失敗し消滅したよね。ところがその技術が欧州に売られて、現代のダウンサイジング直噴ターボに発展したし、フェラーリなんて「GDI」って名称をそのまんま使ってるから驚くよ。
K:それ、三菱の許可は得てるんでしょうか?
永福:さあ……。三菱にとってGDIは黒歴史だから、あえて主張することはないんじゃないかな。
K:なんか悔しいですね! もっと長い目で育てていれば!
永福:まあ、そういうことって、世の中いっぱいあるんだろうね……。
【結論】
結局メガーヌGTはどうだったかと申しますと、走りはとてもいいし小回りも利くのですが、ナビがダメ(スマホ連動型のみ)なのと、ACC(前車追従型クルコン)が付いてないってことで却下となりました。1
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