更新日:2022年12月17日 22:45
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ジャパニーズ・メタル入門者にオススメ! オムニバス・アルバムをたどればメタルの歴史が見えてくる

90年代後半、洋楽メタルのトリビュート・アルバムが登場

90年代のオムニバス・アルバムおよびトリビュート・アルバム(筆者撮影)

 日本のヘヴィメタル・シーンが熱かったのは80年代末頃までだった。筆者は滑り込みで間に合ったのだが、以降、90年代のヘヴィメタルは厳しい冬の時代を迎えた。90年代中頃から、『MELODICAL RENAISSANCE』『MAKE IT SHINE VOL.1』などメロディックメタル・バンドを収録したアルバムがリリースされ、細々と命脈をつないだ。  そんななかで1997年にアニメタルがヒットし、その後、2匹目のドジョウ的な企画盤が大量にリリースされた。それらの制作には、80年代に活躍した多数のジャパメタ・プレーヤーたちが携わり、ブームの恩恵にあずかった。  ちょうどその頃、1枚のトリビュート・アルバムがリリースされ、話題を呼んだ。アニメタルの1stシングルリリースの約5ヶ月前に発表された、DEEP PURPLEをトリビュートした『WHO DO THEY THINK WE ARE?/A Tribute to DEEP PURPLE From Japan』(1996年)である。同作には、デーモン小暮や二井原実、森川之雄、橘高文彦ほか、数十人の信頼あるプレーヤーが集まっている。  同様に、“虹伝説”名義でRAINBOWのトリビュート・アルバム『虹を継ぐ覇者』(1998年)もリリースされた。また、アニメタルの屍忌蛇<g>選曲による80年代のヘヴィメタルのカヴァー曲を収録したアルバム『STAND PROUD!-All For Heavy Metal-』(1998年)もリリースされ、後にシリーズ化されている。
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ジャパメタのオムニバス・アルバムのブーム到来
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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