エンタメ

ジャパニーズ・メタル入門者にオススメ! オムニバス・アルバムをたどればメタルの歴史が見えてくる

<文/山野車輪 連載第22回>

YouTube登場ですっかり影が薄くなったオムニバス・アルバム


日本ヘヴィメタル史上を代表する名盤! 関西出身のヘヴィメタル・バンドMARINO、SEXUAL、RAJAS、HURRY SCUARYの4バンドを収録したオムニバス・アルバム『BATTLE OF METAL』(1984年)

 筆者がヘヴィメタルに入門したきっかけのひとつに、友人が誕生日プレゼントにくれたお好みカセットテープがあった。そこには、METALLICA、MEGADETH、SLAYER、ANTHRAXのスラッシュ四天王やVENOMなどの洋楽ヘヴィメタルが収録されており、筆者の人生において多大な影響を受けてしまった。その友人は学卒後、エロマンガ家になっている。

 同じくパンクスの同級生からも、赤痢やINU、筋肉少女帯の「パンクでポン」などが収録されたお好みテープをもらったのだが、パンク方面には進まなかった。当時の筆者はスピード命だったのだ。

 80年代のヘヴィメタル黎明期、いろいろなバンドの楽曲を集めて収録したコンピレーション・アルバムが多数リリースされた。コンピレーション・アルバムとは、「編集企画盤」のことで、編集者の意図に基づき、既発曲を集めてアルバムとしたものである。日本では、オムニバス・アルバム、V.A.(Various Artists)などとも称されており、筆者としてはオムニバス・アルバムと称したほうがしっくりくるので、その名称でいきたい。また、既発曲でなく新録曲で制作されたオムニバス・アルバムも多い。

 オムニバス・アルバムは、バンドとリスナー双方にとって有意義なものだったと言える。かつては、バンドの音楽に触れるには、音源を買うか、レンタルレコード屋で借りるか、ライヴ会場に行くかなど、いずれにしても無料というわけにはいかなかった。その際、多くのバンドを視聴するにあたって、オムニバス・アルバムは都合が良かった。

 今でも同系統バンド・グループを知るにあたっては、まだまだ意義があるだろうが、インターネット環境が整っている現在、YouTubeで無料でいくらでも視聴ができるようになり、その存在意義は薄れたと言えよう。

次のページ 
80年代ジャパニーズ・メタルのオムニバス・アルバムは“関東vs関西”

1
2
3
4
5
ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!





おすすめ記事