更新日:2022年12月17日 22:56
エンタメ

オタク研究の大家・吉田正高氏の急逝を悼んで…OVAとインディーズメタルの歴史を振り返る

「メカと美少女」という鉄板の組み合わせ

 メカと美少女という鉄板の組み合わせは、『超時空要塞マクロス』のヒロイン=リン・ミンメイが、アイドル歌手をやるという設定で可視化される。その手法は、『メガゾーン23』の時祭イブ、『バブルガムクライシス』のプリスへと受け継がれていく。『バブルガムクライシス』の続編『バブルガム・クラッシュ!』2巻のイメージソング「Fly Away」は、バリバリのネオクラシカルのスピードメタル・チューンで、同楽曲を歌った2代目プリス役の立川亮子は、ポスト浜田麻里と称されたシンガー。「マクロス」系譜の“歌”は、OVAシーンを舞台に、アイドルからロック、そしてヘヴィメタルへと進化していったのだが、この事実はあまり知られていない。  OVAシーンからは、『トップをねらえ!』(1988年)で初の監督を務めた庵野秀明が、のちに代表作『新世紀エヴァンゲリオン』を生み出し、アニメ・シーンに多大な影響を与えた。そしてインディーズメタル・シーンで1stアルバム『Vanishing Vision』(1988年)を発表したX(X JAPAN)が、のちにV系シーンを生み出し、また日本の音楽シーンをも変革した。世界的な知名度のクリエイター、アーティストを排出したOVAとインディーズメタル、今だからこそ、それぞれのシーンを振り返り、再評価すべきではないだろうか。今年はちょうど、『トップをねらえ!』と『Vanishing Vision』の発表から30周年の節目でもあるのだから……。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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