更新日:2022年12月17日 22:56
エンタメ

オタク研究の大家・吉田正高氏の急逝を悼んで…OVAとインディーズメタルの歴史を振り返る

OVAとインディーズメタルが本格的に活性化した1985年

インディーズメタル第1号とされるSABBRABELLSの1stアルバム『SABBRABELLS』

 さて、本連載のテーマはジャパメタである。ジャパメタはリアルロボットアニメと相性が良く、そして盛り上がった時期も重なる(連載第11回参照)。そしてOVAは、ジャパメタにおけるインディーズメタル・シーンの歴史とリンクする。  インディーズメタルの起点はSABBRABELLSの1stアルバム『SABBRABELLS』とされ、これは先述のOVA第1号作品の『ダロス』と同じく1983年に発表された。そして1985年、REACTIONの1stアルバム『INSANE』が激売れし、インディーズメタル・シーンは本格的に活性化する。OVAシーンは連載第11回で述べたように『メガゾーン23』で活性化し、OVAとインディーズメタル、どちらも本格的な起動は1985年だった。このように、OVAとインディーズメタルは非常に縁の深い市場だったと言える。  OVA『メガゾーン23』は、筆者は、当時クラスメイトになったばかりのオタクの友人から、このアニメの存在を知らされた。その彼は現在、人気マンガ家になっている。同ビデオを購入した同級生の家に連れてってもらい、同級生が10人近く集まって、『メガゾーン23』の鑑賞会が行なわれたのだった。余談となるが、その同級生の家で「くりいむレモン」シリーズも観た(笑)。あの頃、ティーン向けアニメは、OVAで燃え上がったのだ。
次のページ right-delta
かつて、アニメの声優や主題歌の歌手は見下される存在だった
1
2
3
4
5
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

記事一覧へ
ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

おすすめ記事