更新日:2022年12月26日 01:13
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「NEM」に熱狂的なファンが多いワケ――マンガで覚える「仮想通貨今昔物語」

すべての人にNEMのブロックチェーンを!「mijin」プロジェクト

 活発なコミュニティを有するNEMではさまざまなプロジェクトも進められている。その1つが前述のテックビューロが推進する「mijin」プロジェクト。誰もが簡単にプライベートブロックチェーンを利用できるように開発された汎用プラットフォームが「mijin」であり、2016年には世界初となるマイクロファイナンス(ミャンマーのBC Finance)の勘定データシステムにmijinを活用する実験に成功。国内でも2017年10月に日本ジビエ振興協会がジビエ食肉の流通トレーサビリティ(生産から最終消費までを追跡可能にすること)にmijinが本採用されたほか、’18年2月にはジャパンネット銀行がmijinを利用して業務システムの効率化に向けた実証実験を行うと発表した。mijin公式ページによれば、すでに300社以上への導入実績があるプロジェクトに成長しているのだ。

高速処理を実現する大型アップデート「カタパルト」実装間近!

 なお、テックビューロとNEMの開発チームは共同でNEMのアップデートも進めている。それが「カタパルト(Catapult)」だ。すでにmijinには実装済みで、間もなくNEMそのものにも実装予定。これにより、mijinのプライベートブロックチェーン上では1秒につき処理可能なトランザクション数が3000件以上に跳ね上がるという。仮想通貨の中でも特に処理速度に優れているとされるリップル(XRP)で秒間1000~2000件、クレジットカード業界で世界一の処理能力を持つとされるVISAが4000~5000件なので、それに匹敵する処理速度を実現できるのだ(NEMのパブリックブロックチェーン上で実現可能な処理速度は現時点で不明)。  なお、ビットコインは秒間14~15件(Segwit導入後)、イーサリアムは同15~20件だが、イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン氏が「Plasma」というアップデートを予定しており、これが実装されればトランザクション処理速度は秒間数十億件(!)になるという。すでに実装されている「ライトニングネットワーク」という仕組みを活用すれば、ビットコインでも秒間数百万トランザクションの処理が実現できると言われている。  こう聞くとNEMの存在意義が揺らぎそうだが、カタパルトではほかにもスマートコントラクトの実装などさまざまな機能のバージョンアップも予定されている。NEMはよりハイスペックで、さらに「一言では説明しづらい」仮想通貨へと変貌を遂げようとしているのだ。なお、カタパルト砲で送金コストを木っ端mijinにできたりはしないのでご注意を!
えりしー

えりしー@仮想通貨漫画ブログ @erishiiiii

イラスト●えりしー@仮想通貨漫画ブログ(@erishiiiii)  仮想通貨を美少女に擬人化させた初心者向けの解説ブログ(仮想通貨女子部! https://cryptogirls.net/)を運営。FXで数百万円の損失を出した苦い経験を生かして、’17年から仮想通貨投資を開始。’17年のリップル急騰の波に乗り、瞬く間に過去の負け分を取り返すことに成功! 大のリップラーで、今も大半の仮想通貨資産をリップルで所有しているが、身内にはそのことを秘密にしているとか…… 解説/池垣 完(本誌) 協力/えりしー氏およびトレスト氏(@TrendStream)
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